オウム真理教の教祖、麻原彰晃こと松本智津夫元死刑囚の次男について、公安調査庁は22日、後継団体「アレフ」の指導者として「2代目グル」を自称し、組織を主導していると認定したと明らかにした。

地下鉄サリン事件発生から30年となる今年の認定にはどのような意味があるのか、詳しく見ていく。

松本智津夫元死刑囚の次男がオウム後継団体“主導”と認定

紫色の服を着て手を合わせる少年。幼少期に撮影された麻原彰晃こと松本智津夫元死刑囚の次男だ。

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公安調査庁は、オウム真理教の後継団体『Alpeh(アレフ)』について 「麻原の次男が『2代目グル』を自称し組織運営を主導している」と認定した。

さらに松本元死刑囚の妻を「後見的に補佐する立場にある」と認定したことを明らかにしたのだ。

1995年に地下鉄サリン事件など重大なテロ事件を起こした「オウム真理教」。
現在30代前半の次男は、地下鉄サリン事件が起きた時は1歳だった。

当時取材に応じた松本元死刑囚の妻が次男を紹介していた。

松本元死刑囚の妻:
今日は生後9カ月の次男を連れてきました。

この映像から19年後の2014年、FNNは親族と共に成長した次男を取材。

松本元死刑囚の妻(写真:右)と水色の服を着て歩いている次男(写真:左)
松本元死刑囚の妻(写真:右)と水色の服を着て歩いている次男(写真:左)

松本元死刑囚の妻の後ろを水色の服を着て歩いているのが次男だ。
車に乗り込んだ2人に親族が問いかけると次のように応じた。

親族:
ちょっと話したいことがあるんだけど。

松本元死刑囚の次男:
あのね、私はあなたの弟のつもりでいるわけ。

親族:
うん。

松本元死刑囚の次男:
だから家族としてなら話すつもりはあるけど、マスコミとは話すつもりはない。

親族:
だけどね誰かが一緒にいないと、危ない教団に関わっているのは事実でしょ?

松本元死刑囚の次男:
何が危ないの?ここ20年何も一切起こしてないのに。

親族:
起こしているでしょ。(教団は)刑事事件だって起こしているじゃないの。

松本元死刑囚の次男:
ああもう、とりあえず閉めるよ。ドアに挟まるから危ないよ。

こう話した後、次男らは車で立ち去った。

地下鉄サリン事件から30年…今年認定の意味は?

今回「2代目グル」と自称し組織運営を主導したと認定した公安調査庁。
地下鉄サリン事件発生から30年となる今年の認定にはどのような意味があるのか?

フジテレビ 上法玄解説委員:
(一連の事件を)全く反省せず、今後も教団運営をやっていくという姿勢の現れではないかと思います。(公安調査庁は)これまでもですね、大量無差別殺人、そうした行為に及ぶ危険性があるというふうに指摘してきましたし、今後もその可能性あるという危険性をですね、改めてここで世間に対して、警鐘を鳴らすといった発表になったということだったと言えます。

2025年4月末時点で国内にいるアレフの構成員が約1190人いるとしている公安調査庁。

22日、アレフに対し団体規制法に基づいて「再発防止処分」を継続するよう公安審査委員会に請求している。

「2代目グル」自称する次男とは一体どんな人物なのか?

青井キャスター:
「アレフ」を主導していると認定された次男とは、一体どんな人物なのか?見ていきます。

松本元死刑囚は妻との間に6人の子ども(2男4女)がいて、今回「2代目グル」を自称して、組織を主導していると認定されたのが次男です。先日、次男と松本元死刑囚の妻の自宅に埼玉県警が家宅捜索に入り、現金数千万円が見つかっていたことが分かっています。

次男は10年以上実態を隠して活動してきたということなんですが、どんな人物かは、ほとんど分かっていないのですが、関係者によりますとこちらです。

【次男について】
・次男は30代前半で、地下鉄サリン事件の発生当時は1歳。
・松本元死刑囚の妻は2013年以降、次男を教団の活動に復帰させることを画策。
・組織内部では以前から次男の復帰を待望する声あった。
・立ち入り検査では、松本元死刑囚の写真のほか次男の幼少期の写真が飾られていた。

宮司キャスター:
いまだにオウムの後継団体が活動しているということに驚きを感じる人も多いと思いますし、不安ですよね?

SPキャスター山口真由さん:
実際問題として2020年以降、収益事業に関する報告を一部怠っているという判断もありまして、場合によっては資産を隠匿して、勢力拡大に備えている。ここで松本元死刑囚の血脈を後継に据えるっていうことはどういうことなんだろうと。現在も継続している可能性もありますよね。

青井キャスター:
まさに今も続いている問題だという認識ですけれども、公安調査庁は22日、アレフに対しまして、教団施設の使用が制限されるなどの「再発防止処分」を継続するように公安審査委員会に請求したということなんですが…。

この請求についてフジテレビの上法解説委員は「請求している処分で問題が解決出来るわけではないので、教団の運営実態を今後より具体的に把握していく必要がある」「公安調査庁は監視体制を強化するとともに、抜き打ちでの立ち入り調査の頻度を上げて、確実に実施することで教団の実態をより細かく把握していく必要がある」としています。
(「イット!」 7月22日放送より)

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