2024年8月、福岡市早良区で乗用車とバスが正面衝突し、幼い姉妹2人が死亡した事故。車を運転し、過失運転致死傷の罪に問われている母親の初公判が7月15日、福岡地裁で開かれた。

「私のすごく大切な娘…」

「亡くなった2人との関係は?」と問いかける弁護側に「私のすごく大切な娘。生活の中心でした」と答えた被告。

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初公判の法廷で亡くなった娘たちへの思いを語ったのは、過失運転致死傷の罪に問われている古賀千尋被告(33)だ。

事故が起きたのは2024年8月のこと。軽乗用車は、前方が完全につぶれるような形でフロントガラスも大きく割れた。

起訴状などによると古賀被告は、福岡市早良区東入部の国道を乗用車で走行中に中央線をはみ出し、対向車線を走っていた西鉄バスと正面衝突した。

この事故で、バスの運転手や乗客4人がけが。軽乗用車に乗っていた古賀優麗愛ちゃん(当時7)と麻里愛ちゃん(当時5)が死亡した。

事故現場近くに住む人は「後ろの2人ともちゃんとシートベルトもしていたし、指示を仰ぎながら心臓マッサージをしていたが…、意識が戻らなかった」と話す。

「チャイルドシートは…」

7月15日、福岡地裁で開かれた初公判で起訴内容を認めた古賀被告。

検察は冒頭陳述で事故原因について「子どもらにシートベルトは着用させたが、チャイルドシートは使用しなかった」とした上で「カーブする道路に差し掛かっていたのにカーナビの画面に目を向け車線をはみ出し、急ブレーキを踏む間もなくバスと衝突した」と指摘した。

続いて被告人質問が行われた。弁護側の「どうして事故を起こしたか分かりますか?」と云う問いに古賀被告は「なぜカーナビを見ていたのか分からない」と答えた。

また免許はどうするかと尋ねられた古賀被告は「二度と取得しない。エンジンが付いているものはもう運転しない」と答えた。

事故当時の娘の様子を聞かれると、涙ぐむ場面もあった古賀被告。8月22日の次回公判で求刑が行われる。

(テレビ西日本)

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