春は、中学や高校に進学し部活動でスポーツを始めたり再開したりした1年生が、けがをするケースが目立つ季節でもある。この時期に集中する理由と、自宅で簡単にできる予防法を医師に聞いた。

子供のスポーツトラブルは大きく2種類

5月に最も多いといわれるスポーツ外傷について、福井市の大森整形外科リウマチ科の大森隆昭副院長に話を聞いた。

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大森医師によると、子供のスポーツトラブルには大きく2種類がある。

1つ目は「スポーツ障害」。同じスポーツを続けた結果、フォームの癖などによって体の特定の部位に負荷がかかり続けることで引き起こされる。慢性的なダメージが蓄積していくタイプだ。

2つ目が「スポーツ外傷」。こちらは1回のプレーでも起こり得る捻挫・靭帯損傷・肉離れ・骨折などを指す。大森副院長は「特にこの時期は注意が必要」と強調する。

スポーツ外傷が5月に集中する背景には、中学・高校1年生特ならではの事情がある。

まず、進学によって、これまでとは練習量も競技レベルも大きく変わる。

特に高校1年生の場合、中学校の部活が終わった後に受験期を迎えるため、「十分な運動ができていないことが多い」という。そこに高負荷の運動が一気に加わることで、けがにつながりやすくなるのだ。

成長期には注意したいスポーツ外傷
成長期には注意したいスポーツ外傷

さらに見落とせないのが「中高生は体の成長が著しく大きい時期で、骨と筋肉の成長バランスが取れていないことが多い」という大森副院長の指摘。成長途中の体に、急激な負荷が加わる。それがスポーツ外傷を引き起こす構造的な要因になっているという。

けがが多いのは「足首」と「ふくらはぎ」

運動を再開したばかりの時期に比較的起こしやすいのが、足首やふくらはぎの捻挫・肉離れ。日々のストレッチでこれらの部位をほぐしておくことが、予防の第一歩となる。

紹介するのは、段差や階段を使ったシンプルなストレッチだ。自宅でも気軽に取り組める。

【足首とふくらはぎのストレッチ】
1. 段差や階段につま先だけを乗せる。ふらつく場合は手すりや壁に手をつく。
2. かかとをしっかり落とせるところまで落とし、3秒間キープする。
3. ゆっくりとつま先立ちになり、上がりきったところで、なるべくゆっくりかかとを下ろしていく。
5. 落ちきったところで再び3秒止まる。
6. これを10回繰り返す。

※ポイント
・かかとをしっかり落とすこと。
・上げ下げの動きはゆっくりと行う事。

慣れてきたら片足で同様に行う。片足にすることで、より強い負荷が得られる。

自宅で行う場合は、筋肉が柔らかくなっているお風呂上がりのタイミングがおすすめだという。また、運動前のウォーミングアップだけでなく、運動後のクールダウンとしてもこのストレッチを取り入れることが重要だと大森副院長。

「体のサイン」を見逃さないことが最大の防御

けがを防ぐためには、日々の体の変化に敏感であることも重要だ。

「いつもと同じ運動をしているのに違和感がある」。そう感じたときは注意。具体的には、痛み・腫れ・熱感が数日間経っても改善しない場合は「危険なサインであることが多い」という。
大森副院長は「この時期は急に無理をせず、少しずつ体を慣らしながらスポーツを楽しんでほしい」とする。

新しい環境でスポーツに情熱を注ぐ中高1年生たちにとって、けがは最大の敵。毎日のストレッチと体のサインへの注意、この2つを習慣にすることが、充実したスポーツライフを守る第一歩となる。

福井テレビ
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