コメの価格高騰が日本酒造りにも影響を与えている。農家の中には、日本酒用のコメ「酒米」の栽培から主食用のコメの栽培に切り替える動きも見られ、原料価格の上昇による日本酒の値上がりが懸念されている。
酒米から主食用に切り替え増加
日本酒用のコメ「酒米」は栽培が難しく収量も少ないことから、主食用のコメより高値で取引されている。しかし去年(2024年)産の主食用コメの価格は酒米の価格に迫る水準となった。

この影響で酒米を作る農家が主食用のコメの生産に切り替える動きが全国的に拡大している。
佐賀県酒造組合の馬場第一郎会長によると、今年(2025年)の酒米の栽培は、「大体、昨年(2024年)の80%。面積で言うと20%減」と現状を説明する。

佐賀県酒造組合 馬場第一郎会長:
(日本酒の)価格に対しては現状維持というのはかなり難しい所まで来ているのは事実です。ただ、我々蔵元の気持ちというのは、こういう時こそ、もっとお客さんに佐賀の酒を飲んでいただきたい、楽しんでいただきたい
「酒米農家の生計が成り立つように」
米どころの佐賀には酒蔵が多く、質の高い日本酒は全国的にも人気だ。県酒造組合の馬場会長は、今年の酒米の原料価格は約25%上昇するのではないかと懸念を示しながら、酒米の生産農家も生計が成り立つような形で生産してもらいたいと話す。

このような状況の中、佐賀県は今年(2025年)2月の補正予算で県産の酒米の購入費用について、値上がり分の半額を補助するとして3000万円を計上している。

佐賀県酒造組合 馬場第一郎会長:
緊急的なもので助成金というものを頂くようになりました。今年の作付けに関しても、今後また継続してお願いしたいと思っています
コメの値上がりは、様々な分野の物価高に影響を及ぼしている。
(サガテレビ)