アメリカのトランプ大統領は、交戦を続けていたイスラエルとイランについて停戦することで合意したと明かした。
中東情勢は目まぐるしく動いている。
こうしたアメリカやイスラエルのイランへの行動について、元AERA編集長でジャーナリストの浜田敬子さんは、「国際法上では違法の可能性もあると言われている」と述べ、トランプ大統領の姿勢について、「何でもあり。ロシアの侵攻も非難できなくなる」と指摘した。

■イスラエル・イラン停戦へ トランプ大統領が合意発効を宣言
攻撃の応酬が続くイスラエルとイランの争いについて、24日午後、トランプ大統領はSNSで「停戦合意は発効された」と投稿。双方に「違反しないように」と呼び掛けた。
段階的な停戦合意は、まずイランが停戦に入り、その12時間後にイスラエルが停戦に入るとしている。
合意の発表前には、イランはカタールにある米軍基地をミサイル攻撃したが、トランプ大統領は「イランから事前通告があった」と明かしていて、緊張を回避する意図だったとみられる。
イランの国営テレビは「停戦が始まった」と報じているということだ。
さらに、さきほどイスラエルのネタニヤフ首相は「停戦に合意した」と発表した。
日本時間あす(=25日)午後1時とされる、双方による正式な停戦合意。
果たして実現するのだろうか。
■議会手続き無視 トランプ政権が示す民主主義の危うい前例
番組コメンテーターの元AERA編集長でジャーナリストの浜田敬子さんは「何でもあり。ロシアの侵攻も非難できなくなる」と指摘する。
浜田敬子さん:今回トランプ大統領は『自分が停戦の仲介をした』と成果を誇っているわけですが、そもそもイスラエルやアメリカのイランへの行動に正当性があったのかと思います。イランが核兵器の開発をしているのではないかということで、予防的に攻撃をしたんですけども、証拠も示さず先制攻撃をするというのは、国際法上では違法の可能性もあると言われています。
しかも今回、トランプ大統領が国内で議会の手続きを踏んでいないんですよ。こういうことがまかり通ると、『国際法ってなんだ』と、国内の手続きをきちんと踏むっていう、『議会軽視なんじゃないか』。もう何でもありな世界になってくるんじゃないかなと。
さらに今回のアメリカの攻撃に対しては、イギリスやフランスやドイツも追認しています。かつてロシアがウクライナを侵攻したとき、激しくみんな非難をしていたのに、そのことも非難できなくなるんじゃないかなと感じます。

■“段階的停戦”という緊迫のかけひき
今後の見通しについて、関西テレビの神崎博報道デスクは「段階的というのがポイント、イランがまず停戦するのか」と話す。
関西テレビ 神崎博報道デスク:今回は“段階的”と言うのが1つポイントで、実はイランが先に停戦に合意して、その12時間後にイスラエルと。要は、イランがまずちゃんと停戦を守るかどうかみた上で、イスラエルの停戦が発効するという形です。実際はすでに停戦時間が過ぎて、1~2時間後にイラン側からイスラエルに攻撃があったという情報があるんですけども、実は停戦の世界では、小規模なものであったりとか、数時間後ぐらいであれば、停戦がなんとなく守られている感じになるので、この後、本当にイランが守るのか?そしてイスラエルが守るのか?が1つポイントになると思います。
実際に停戦が実現するのかどうかというところは、予断を許さない状況となっている。
(関西テレビ「newsランナー」2025年6月24日放送)
