飲酒運転で24歳の女性を車ではね重傷を負わせた危険運転致傷の罪に問われた女の初公判が、17 日、開かれた。
被告の身勝手な運転で人生を変えられた被害女性の悲痛な想いを取材した。
被害女性(24):いつも寝る前になったら事故のこととか考えてしまって。毎回、涙出る。いつも泣いてる気がする。
病室で母親に辛い気持ちを打ち明ける女性(24)。
3ヵ月前、飲酒運転の車にはねられ、長期にわたる入院生活を強いられた。

■自転車をはね走り去る車… 被害者は一命を取り留めたものの…
事件があったのはことし6月7日。
記者リポート:被害にあった女性はあちらの自転車レーンを走行していたところ、突然後ろから車にはねられ、車は走り去ったということです。
海外留学の資金などを貯めようと遅くまでアルバイトをし、その帰り道だったという女性。
車に引きずられたとみられ、道路上でうずくまっていたところ、後続の車が気づき、一命を取り留めた。

■治っても傷痕はずっと残る。最悪だ…
女性は顔を数十針縫い、腰の周りは皮膚の移植手術が行われた。
被害女性(24):(腰の傷は)きょう、先生にみてもらったけど、色が若干薄まってきたって言われた。でもここのへこみが気になる。まだ、ちょっと痛いな。でも治っても傷痕ずっと残るやん。最悪。

■自分の顔を見られない。体と心に大きな傷 「同じ痛みを味わってほしい」
今なお消えない、事件の痕。
被害女性の母親:鏡には目隠しをしてもらっています。
自分の顔をみられない…女性は体だけでなく心にも大きな傷を負った。
被害女性(24):体も、心までボロボロにして傷つけられて。(被告は)何を思ってるんやろ。同じ目にあってほしいんやけど。同じ痛み味わってほしい。

■防カメ捜査で逮捕の女、ひき逃げ容疑を否認
事件の2日後、警察は防犯カメラの映像などから飲食店店員の木村穂乃香被告(27)をひき逃げの疑いで逮捕。
警察によると「事故を起こしたことに気づかなかった」と、ひき逃げの容疑を否認したという。
その後、検察はアルコールの影響で正常な運転ができない状態で女性をはね重傷を負わせた危険運転致傷の罪で起訴。
一方でひき逃げについては起訴を見送った。
女性をはねたことに気づいていたのか、証拠上判断することが難しかったとみられる。

■被害者の母「飲酒運転は故意。たまたまではない」
被害女性の母親:飲酒をして運転することは故意であって、たまたまとか自分の甘さ、軽率な行動ではない。もっと飲酒運転の罰則を重くしてもらいたいです。自分のしたことの大きさを知ってもらいたいです。
そして17 日。初公判が開かれ、木村被告は上下黒のスーツ姿で出廷。
認否について聞かれると、木村被告は「弁護士に任せていますので弁護士と同じ意見です」と述べ、弁護側は認否を留保した。

■無言貫く木村被告…
裁判を終え、木村被告は…
Qなぜ飲酒運転したんですか?
「・・・・・」
Q被害者に対してどのような思いですか?
「・・・・・」
Q認否を留保した理由は?
「・・・・・」
記者の質問に無言を貫いた。

■「謝罪の一言もない。許せない気持ちがもっと大きくなった」
被害者参加制度を利用して裁判に参加した被害女性は…
被害女性(24):謝罪の一言もなかったので、許せない気持ちがもっと大きくなりました。私をひいたことをちゃんと認めて、実刑をうけてもらいたい。
飲酒の末の危険運転で一変した生活。
被告は真実を法廷で語るのだろうか…。
(関西テレビ「newsランナー」2025年9月17日放送)
