4月、アメリカの宇宙船がアポロ13号以来、56年ぶりに記録を更新し、地球から最も遠い地点に到達しました。
そんな中、 「“地外球生命体”は本当にいるのか」が議論になっています。
最も有力な手掛かりとされる1977年に“いて座方面から受信した強力な電波”「Wow!シグナル」を再び受信しようという取り組みが関西で始動。
さらに石破前総理も参加する「UFO議連」では”未知なるもの”へ備える議論も。
何が起きているのか、徹底取材しました。
■人類史上“最も遠い場所”に到達 NASAが快挙
真っ暗な宇宙で青く輝く地球と月。これは国際的な月探査プロジェクト「アルテミス計画」で撮影され、NASAが4月7日に公開した写真です。
人類が月に到着したのは、「アポロ計画」以来およそ半世紀ぶりで、宇宙船はミッション6日目に月の裏側を飛行し、人類史上、“最も遠い場所”へと到達。
その際に撮影された写真では、月越しの地球がまるで三日月のようにみえる何とも幻想的な光景です。
【NASA】「これは我々がSFに勝利した瞬間だ」
10日間のミッションを終えた宇宙飛行士たちは、太平洋に着水。その後の帰還式で、船長のワイズマン飛行士はこう語りました。
【リード・ワイズマン船長】「人間であることは特別なことであり、地球という惑星にいることもまた特別なことだ」
歴史的な偉業に盛り上がるアメリカ。
■「ワクワクしてます」大阪市立科学館にロケットの模型を展示
関西では…
【記者リポート】「大阪市立科学館では、アルテミス計画に使用された大型ロケットの模型が展示されています」
大阪・関西万博のアメリカパビリオンにも展示されていた、大型ロケット「SLS」の模型。
宇宙船が帰還した翌日には、多くの子どもたちが科学館を訪れ、計画を成功に導いた“世界最高峰”のロケットの模型に目を輝かせていました。
(Q.ロケットって何?)
【3歳の子供】「ロケットって宇宙に飛び立つ。カッコイイ」
(Q.乗ってみたい?)
【3歳の子供】「ううん」
(Q.乗るの怖い?)
【3歳の子供】「うん」
(Q.宇宙に行きたい?)
【子供】「行きたい。宇宙行ったら月で遊びたい」
【子供】「めちゃくちゃワクワクしてます。私たちも宇宙旅行だったり、いつかできるのかなあと思って見てました」
■「アルテミス計画」の未来には「日本人がもしかしたら月に降りられるかも」
“アポロ以来の快挙”について学芸員は…。
【大阪市立科学館学芸員 渡部義弥さん】「アポロの時は、“ともかく月に人間を送るんだ”という国(アメリカ)の誇りをかけた取り組みでした。
今回はアメリカが中心にはなっているんですけども、日本を含め世界が協力して、月にロケットを送る。次には月に基地をつくる。
さらに火星に向かうこともできるかもしれない、そういった第一歩を踏み出した画期的なできごと」
(Q.「アルテミス計画」には先がある?)
【大阪市立科学館学芸員 渡部義弥さん】「(「アルテミス計画」)3・4・5とありまして、5ぐらいで日本人の宇宙飛行士が、もしかしたら月に降りられるかもしれない」
■天文学者の組織「日本SETI研究会」設立
宇宙への夢が広がるなか、関西では国内初となる“ある”研究機関ができたといいます。
JAXAとの共同研究なども行う天文学者の鳴沢真也さん。
NASAのロゴが入ったリュックを背負っていました。
【日本SETI研究会 鳴沢真也会長(61)】「このリュックは本当にあっち(アメリカ)で買った。Amazonとかじゃないですよ。“本NASA”です、“本NASA”」
鳴沢さんが4月8日に立ち上げたのは…。
【日本SETI研究会 鳴沢真也会長】「日本SETI(セチ)研究会という会ですね。太陽系外の知的な生命・文明・テクノロジーというものを、間接的な証拠をキャッチしましょうという天文学者の組織ですね」
■「Wow!シグナル」いまだに議論される“宇宙からの信号”
日本SETI研究会では、過去にアメリカで受信された“宇宙からの信号”に注目しています。
【日本SETI研究会 鳴沢真也会長】「(世界での研究は)約60年になるんですけども、唯一あやしいというか、いまだに議論されている信号を受信した。
興奮冷めやらなかったんでしょうね。『Wow』って書いて、さらに『!』マークですよ。それが今でも学術用語になっています」
こちらがアメリカで受信された「Wow!シグナル」。
1977年に「いて座」の方向から、約72秒間にわたって受信した強力な電波で、地球外知的生命体の存在を示唆する“最も有力な手がかり”とも言われています。
【日本SETI研究会 鳴沢真也会長】「消去法でやると、“宇宙”の文明としか、もう考えられないんですけど、でも分かんなくて」
研究会では受信から50年となる来年、再び電波を受信しようとする計画を立てていて、世界の天文学者に参加を呼びかけています。
■和歌山県で「Wow!シグナル」に迫る計画
その舞台のひとつが和歌山県にある「みさと天文台」。
県内で一番大きな望遠鏡があり、星や宇宙が好きな人にとってワクワクするこの施設で、宇宙からの電波をキャッチしたいとしています。
【記者リポート】「SETI研究会では、こちらの直径8メートルのアンテナを使った取り組みが考えられています」
計画の実施は来年8月。「Wow!シグナル」の長年の謎に迫るため、準備が進められています。
【日本SETI研究会 米澤樹事務局長】「地球で一番多いものとして、砂粒がある。そういった砂よりも星は多いと考えられているんですね。なので一粒ぐらい、知的生命体がいてもおかしくないと思ってはいます」
(Q.夢がありますね)
【日本SETI研究会 米澤樹事務局長】「お友達になりたいなと思います」
■宇宙人はこわい? 「地球人を見つめ直しましょう」と鳴沢会長
(Q.宇宙人いるかな?)
【小学1年生】「おらんと思ってる。だってあんな生物おったらこわい」
【祖父】「人間も宇宙人やで」
【小学1年生】「違う~!」
【天文ファン】「すごく面白いと思います。日本が『発見第一号』になるかもと考えると、すごくワクワクします」
この計画の意義について、研究会の鳴沢さんは…。
【日本SETI研究会 鳴沢真也会長】「向こうの文明を見つけましょうってことなんだけど、実は『地球人を見つめ直しましょう』ということでもあって。
向こうの方々はどういう目で、地球を見つめているんだと。そういうことに気が付いてほしい。地球人へのメッセージでも実はある」
■政治の中でも議論 通称「UFO議連」
地球外生命体への期待が高まっていく中、そのような“未知なるもの”に対する議論は、政治の中でも…。
【石破茂前総理】「(UFOが)いるかいないかは知りません。ないと断言できない以上、それはあるというふうに考えた方がいい」
石破前総理がこう話したのは3月31日に行われた、通称「UFO議連」の総会です。
2024年に超党派で設立されたこの議連では、現在では「UAP」と呼ばれるようになった「未確認異常現象」について、安全保障の観点から議論しています。
総会では、去年7月に佐賀県の玄海原発で目撃された、“ドローンの可能性がある”不審な光に対する政府対応について話し合われ、さらには…。
【UFO議連 浜田靖一会長】「本年2月10日にトランプ大統領が、UAPに関する全ての政府情報の特定と、公開プロセスを開始するよう指示をだした」
ことし2月、アメリカではトランプ大統領が、「地球外生命体などに関する政府文書の公開を開始する」と発表していて、それを受けた日本政府の対応についても議論されました。
議連の会長補佐を務める浅川義治さんは、“宇宙人の存在を前提にした議論ではない”とした上で、UAPに対する「政府の専門機関を設置すべき」と話します。
■UAPに対する日本のスタンス 幅広い議論が必要な時代に
【UFO議連 浅川義治会長補佐】「UAPについてアメリカでは、法律も作られて積極的に取り組んでいるが、日本の場合は“国民に報告することはない”というスタンスが続いたままなので、国会でも十分な議論ができていない。
なんらかの判別できないものが現れた場合の、対処・情報集約をいち早く、緊急体制をとれるようにすることが、まずはスタート」
月の裏側を目撃し、次は火星を目指す人類。
「未知の世界」がすぐそこまで迫るなか、幅広い議論が必要な時代に突入しています。
(関西テレビ「newsランナー」2026年4月24日放送)