相談を受けた人が考えがちなこと
私たちが相談されてアドバイスをする際、考えるのは「どうすれば、その問題を解決できるのか」ということ。それは自然なことなのですが、問題にばかりフォーカスしてしまい、相手の存在が消えてしまうと、受け入れられるアドバイスはできません。
キャッチボールで、相手が準備できていないうちに投げてしまったり、相手のレベルに合わない剛速球を投げたら相手は取れません。自分がどんなによいボールを投げても意味がないということです。
では、どうすればよいのか。アドバイスの目的を「問題解決」から「相手の支援」に変えることです。極論すれば、解決できなくても支援になればいいということ。

そうすると、相手の相談内容を聞く姿勢から変わってきます。
何が問題なのか、ではなく「この人はいま、どう感じているのか」と人にフォーカスできるようになります。また、質問も連動して変わります。その結果、「今はアドバイスしないほうがよい」という判断になるかもしれません。
アドバイスという行動には、する側が、上から話せる気持ちよさを感じる麻薬のような面もあります。アドバイスをするならば、それを求める気持ちを抑え、支援に徹する。本章ではそんな姿勢で相手に受け入れられるアドバイスの仕方を紹介します。