「閉め切った部屋やあまり開けない戸棚を開ける時、エアコンの作動時などは、においや目視で確かめるのが良いでしょう。食品は食べる前にしっかり確認しましょう」
繁殖させないためには「チャタテムシの餌となるものを作らない」に尽きるそう。次の対策をするだけでも、予防につながるという。
・晴れた日は部屋のドアを開けて自然換気する
・雨の日はエアコンの除湿機能、除湿機を使う
・家具は壁から少し(5~10cmほど)離し、風通しを良くする
・敷物は定期的に洗濯して干す
・押し入れやクローゼットには“すのこ”を置く
・食品(特に乾麺やお菓子)は開封したまま、常温で放置しない。できれば冷蔵庫に

気を付けていても、チャタテムシが大量発生したらどうすればいいのだろう。
もし、大量発生してしまったら
最後に、自宅でありがちなシチュエーションごとの対処法も教えてもらった。
・窓、床、壁に居た場合:発見した場所や周辺の隙間に向け、ダニ駆除用のスプレーを撒く。アルコール(50%以上を推奨)で湿らせた雑巾で拭いてもいい
・エアコンの内部に居た場合: エアコン用の防カビスプレーで掃除する。冷房運転を終えたら“送風モード”にして、内部を乾かす
・押し入れや戸棚に居た場合:物の量を減らし、空気に触れやすくする。雑誌など紙類はできるだけ処分する。ダニ用の防虫剤を設置する
・食品に居た場合:食べるのはあまりお勧めできないので、早めに処分する
※スプレーは炎や火器の近くでは使用しない、使用中や使用後は十分に換気する

「共通して、カビがあった場合は掃除で除去するのが望ましいです。カビ取り剤にはさまざまな製品がありますので、処理したい場所に応じて選んでください」
上記した対策で多くは駆除できるが、発生が続くようなら「くん煙剤」を使って、部屋全体を退治することも考えてほしいという。
村田さんは「清掃が行き届いていれば、そこまで神経質にならなくても大丈夫です」と話す。また、殺虫剤を使う場合は必ず、ラベル記載の用法・用量を守ってほしいとのことだった。
害虫を見ることが増えたら、チャタテムシの存在を疑ってみてもいいかもしれない。
村田光(むらた・ひかる)
害虫駆除の専門業者らで構成される公益社団法人「日本ペストコントロール協会」で技術委員を務める。コバエ、ダニなどさまざまな害虫についての知識を持ち、駆除のポイントなどについての情報発信も行っている。
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