6月11日の熊本市議会・特別委員会で2024年度の乗客数速報値が発表され、約982万人だった。前の年度より約27万人減少し、減便や2024年1年間で16件の運行トラブルが相次いだ中での〈乗客離れ〉。議会側からは安全や信頼の回復のため乗務員の処遇改善を求める声が相次いだ。
年間で利用者約27万人減少の熊本市電
6月11日の熊本市議会・特別委員会で熊本市交通局は、「令和6(2024)年度は乗車人員982万2000人で前年度比2.6%減。減便やインシデントが相次いだことによる、乗客離れが原因と考える」と述べた。

さらに今年度の乗務員の雇用状況について報告。このうち運転士は現在80人で再任用職員の1人を除き全てが会計年度任用職員。

新規採用職員は通年募集へ変更した2024年度、21人を採用したものの15人が退職。2025年度は、今のところ5人が採用されている。

熊本市交通局で2024年度、全職員を対象に行ったアンケートの結果「仕事内容や責任の重さに賃金が対応しておらず生活が不安」「子どもが小さく将来の学費等が不安」など将来のライフプランへの不安を持っている状況が明らかになった。
「交通局の立て直しのためにやっていく」
特別委員会で山内勝志委員は「ずっと1年の契約雇用が連続しているのが現状なら、それがいつまで続くか約束事もなく、単純に『来年3月31日まで契約、また4月1日に契約します』ではなかなか安定しないと思う」と述べた。

また、上野美恵子委員も「安全運行を実現しようと思ったら、〈人〉の問題の解決を図らないと難しいと思う」と話すと、熊本市総務局・津田善幸局長は「身分や処遇については、我々がしっかりと入って、今後の方向性は交通局の立て直しのためにやっていくことは申し上げたい」と改革への姿勢を示した。

乗務員の処遇改善は市が6月発足させた『市電再生タスク・フォース』の検討項目の一つでもある。他都市の調査も行うなどし、検討を進めるとしている。
(テレビ熊本)