本格的な夏の到来を前に注意が必要なのが降り注ぐ紫外線。シミや日焼けなど肌トラブルを引き起こすことは知られているが、目にも症状が現れることもあるという。これからの時期に気をつけたい「目の日焼け」と対策とは。

目の充血や違和感…それは「目の日焼け」かも
「紫外線量が増加するこの時期は、目の充血や異物感を訴える患者さんが目立って増えている」と語る川原眼科(福岡県粕屋町)の川原周平院長。「目の日焼け」に警鐘を鳴らしている。

川原院長によると、紫外線によって黒目や白目がダメージを受け、目の表面がただれた状態になるという。紫外線のダメージが蓄積されると、白目の組織が黒目に侵入する「翼状片(よくじょうへん)」という症状となり、視力の大幅な低下を招くおそれもあるという。

屋内では透明だが屋外では色がつく「調光レンズに注目」
「目の日焼け」を防ぐ有効な手段の1つがサングラス。ところが街では「サングラスはあまりしない」「少しいかつい印象がある」「レンズの色が濃いと不自然に見えるのでは」といった心理的なハードルも小さくない。

そんな中、注目されているのが高機能なUVカットレンズ。特に人気なのが紫外線の量に応じてレンズの色が変化する「調光レンズ」だ。室内では透明な眼鏡として使用でき、屋外に出ると紫外線に反応してサングラスのように色が濃くなるという。

実際に紫外線を当ててみると、透明だったレンズが約30秒でグレーがかった色に変化した。

「レンズの色の濃さと紫外線カット効果は必ずしも比例しない。透明なレンズでも、表面にUVカットコーティングが施されていれば、効果的に紫外線を防ぐことができる」と眼鏡店「JINS」の担当者は解説する。

さらに、より高いUVカット効果を求める人に向けて「UVダブルカットレンズ」といった製品も登場。レンズの表面だけでなく裏面にもUVカット加工を施すことで、レンズの裏面で反射して目に入る紫外線を軽減している。紫外線はあらゆる方向から反射して目に届くため、裏面からの紫外線も気をつけることが重要だという。

「非常に強い」紫外線の日 30年間で約2倍に
これから紫外線が一層強まる季節。気象庁によると、外出自粛を促すほどの「非常に強い」レベルの紫外線が観測される日は、この30年間で約2倍に増加しているという。

目の充血や違和感といったサインに気づいたら早めに眼科医に相談するとともに、進化するUVカット製品を上手に活用し、大切な目を紫外線から守る意識を持つことが、この夏を健康に過ごすための鍵となりそうだ。
(2025年6月4日放送「報道ワイド 記者のチカラ」より)
(テレビ西日本)
