【脳力節約】1日の作業を「やるだけ」にしておく
脳力の節約におすすめの方法は、「その日の計画は、前日のうちに立てておく」ことです。このようにいうと、「もう実践している」と答える方も多いかもしれません。
そのような方は、ぜひ思い起こしてみてください。前日のうちに、本当にすべての計画を立てきっていますか?前日に決めるのは大まかな予定だけで、実際のチマチマした段取りなどは作業の直前に決めているのではないでしょうか?

このやり方は、計画を前日と当日の2回に分けて立てているということです。脳力を浪費する、もったいない習慣だといえるでしょう。
計画を2回に分けて立てる場合、どのような無駄が生じているのでしょうか?それは、何か作業が完了したときに、「次に何をやればいいのかを考え直す」必要があるということです。
一度に計画を立てきっていれば、「あとはCだけやれば大丈夫」となるにもかかわらず、計画を分けて立てようとすると「AをやってBをやったという経緯を踏まえて、ゴールから外れていないかをチェックしながら慎重にCをやろうと考える」ことになるわけです。
脳に負担をかける作業は1日に集約
この思考の際には過去・現在・未来に視野を広げることが求められるため、意外なほど脳に負担がかかります。こうした脳に負担をかける作業は、1回に集約しましょう。
前日にすべて計画を立てておけば、思考の重複を避けることができるのです。
私の場合は、前日には翌日の行動予定をすべて事細かにOutlookに書ききるということをしています。
資料作成の時間は「ワーク」と予定を入れておき、本文のところに「何をどこまでやるか」を詳細に書いておきます。
会議の場合は、設定されている会議の招待(インビテーション)と同じ時間に「会議ポイント」と予定を入れ、本文には質問したい内容や落とし込みたい結論を記入しておきます。
ここまでのことを前日に行えば、当日は書いた内容に従って実行するだけです。完成したレールの上を一直線に進むだけになるので、無駄な脳力を消費することなく成果を出すことに専念できるでしょう。

江村出
EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社アソシエートパートナー。ITコンサルタントとして業界を問わず数多くの大企業の改革をリード。「人の2倍働く」をモットーに深夜残業・土日出勤を繰り返していた苦しい状況から、様々な模索や工夫を積み重ね、働く時間を大きく削減。創出した余力を活用し、社内外の活動を広く手がける。