強風の日に傘を差すと、ひっくり返ってしまうことがあるが、どう対処しているだろうか。
「風の力に任せて戻そうとすると、傘に負荷がかかります。壊れやすくなることもあります」
こう話すのは、傘のスペシャリストである田中正浩さん。そこで参考にしたい、傘の戻し方や差し方のコツを教えてもらった。
(雨の日に体がぬれない傘の持ち方、選び方はこちらの記事へ)
(日傘の「晴雨」と「雨晴」の違いは?特徴と選び方はこちらの記事へ)
傘の「親骨」に負担がかかる
傘は多くのパーツで構成されるが、特に重要なのが、傘を開いた時に広がる「親骨」。生地を支える部分であり、ここがしっかりと稼働することで、形状を維持してもいるそうだ。

しかし強風でひっくり返ると、親骨に“正しくない力”が加わった状態に。
「人の関節をイメージしてもらえるといいと思うのですが、関節を伸ばした状態で、さらに伸ばした方向に力を加えると痛いですよね。傘の親骨も同じです」
むやみに扱うと変な方向に曲がり、壊れてしまうことも…。どうすればいいのか。
ひっくり返ったら慌てずに開閉
田中さんの答えはシンプルで「傘を一度閉じてから、開きなおす」こと。これが、最も負担の少ない対処法だという。

「傘を閉じることで、親骨や生地にかかった力が抜けます。そこから正しく開きなおすと、余計な力をかけずに戻すことができます」
その際は再度ひっくり返らないよう、風上に向けて開閉するのがコツ。長傘と折り畳み傘どちらでもお勧めできるので、試してみよう。

逆にやってはいけないのは、傘のストッパーを緩めていない状態で、風や手の力で戻すこと。親骨の周辺に負荷をかけてしまうという。