できれば、最初から傘がひっくり返らないのが望ましいところ。それなら「傘の差し方と選び方がポイント」と田中さんは言う。
“盾”のように持つのは危険
差し方は、傘の内側に風を受けないことが大切。傘を開いた状態で、持ち手(ハンドル)を持って風上に少しだけ傾けると、風の圧力を抑えやすいそうだ。

ただし、傘を短く持って“盾”のようにかざすのは避けてほしい。この持ち方をすると「風の力をまともに受け、傘がぶれやすくなる」と田中さんは指摘する。
「手首が疲れやすくなり、姿勢を保ち続けることが難しくなります。視界も狭まりますので前方が見えず、通行人や車との事故につながる場合もあります」
風に強い傘の特徴
選び方では、使われている素材や親骨の数がポイント。田中さんによると、素材は鉄、アルミ、カーボンファイバー、グラスファイバーなどがあり、それぞれ特徴があるという。

(1)鉄・アルミ製
メリット:強度があり頑丈さに優れる、価格が手頃
デメリット:重量が重いので、頻繁な持ち運びに不便
(2)カーボンファイバー・グラスファイバー製
メリット:しなやかさがあり、より強風に耐えられる、軽くて持ち運びに便利
デメリット:強度の限界を超えると折れてしまう、価格が高め
ひっくり返りにくさだけなら(2)がお勧めだが、複数の素材を組み合わせた製品も多い。商品タグを確認したり、販売員に聞くのがいいという。

そして、親骨の数は多いほど強度が上がる。8本程度が一般的だが、それ以上の本数の製品もあるというので、壊れにくさを求めるならこだわってもいいだろう。