雨の日、傘を差しているのに、体がぬれていた経験はないだろうか。それは傘の持ち方や選び方が影響しているかもしれない。
傘のスペシャリストである田中正浩さんに、ぬれを軽減するヒントを聞いた。
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ぬれやすいのは下半身と肩
そもそもなぜ、体がぬれてしまうのか。実は傘を差した状態でも、下半身と肩は完全にカバーすることが難しいという。

「雨が真上から落ちるだけなら理論上はぬれません。ですが、移動したり、風を伴う雨が降ったりすると斜めに降ることがあります」
雨風の中を歩くと、体は前後左右から斜めに雨を受け、足元に近くなるほど当たりやすくなる。結果、いつの間にかぬれているのだ。

また、肩がぬれるのは、差し方の角度が極端に片寄ったり、荷物を持ったりして「傘の中心に体が位置していない」ことが原因だそう。
「傘が自分の中心からずれるとどうしてもぬれてしまいます。バッグなどを肩にかけると、荷物をかばおうとして反対側がぬれます」
「大きい傘=安心」ではない
では、どう対処すればいいのか。田中さんは、傘の中心に「自分がすっぽりと収まる位置に入ることを意識してほしい」とアドバイスする。持ち方の具体的なポイントは次の3つ。

・傘の持ち手(ハンドル)を握った手が、胸の中心に来るようにする
・傘の中棒(シャフト)が鼻の正面に来るようにする
・傘を持った時、肘の角度を90度くらいに保つ
これらを意識すると体全体がぬれにくいほか、傘を長時間持っても疲れにくいそうだ。
そして傘のサイズ選びも大切。大きい=安心と思いがちだが、「実はそうでもない」という。