細菌兵器の開発を進めたとされる731部隊

2024年の中間報告のあと、熊本県にある菊池恵楓園歴史資料館の原田寿真学芸員のもとには、虹波に関わる複数の情報提供が寄せられた。

原田学芸員によると、旧満州では凍傷実験として使われていたことが、戦後すぐに熊本医科大学の医師が発表した論文の中から確認されたという。そして、731部隊に関連する業務日誌の中にも「虹波が実験的に用いられた、人体試験で使われた」という記載があった。その結果、、恐らく731部隊で使われていたのは間違いないだろうといわれているという。731部隊は、旧満州で細菌兵器の開発を進めたとされている。

記録を検証した結果、旧満州の後に菊池恵楓園で「人体実験」は行われ、高松市の大島青松園などほかの療養所でも行われたとみられている。

原田学芸員は「ハンセン病問題については、まだ分からないところが多くある。虹波の調査の中でそのことを思い知ることになった。いまだ明らかになっていない部分、課題として見いだしていくべき部分に向かい合っていきたい」と語る。

菊池恵楓園歴史資料館の原田寿真学芸員
菊池恵楓園歴史資料館の原田寿真学芸員