永井さんによると、海中では「肌の露出をしないこと」がポイント。「皮膚の薄い腕や太ももの内側、お腹まわりなどをしっかり守るように意識してください」とアドバイスする。

海での被害を防ぐ2つのポイント

実際は、以下の2つを意識するといいという。

(1)シャツやウエットスーツを着る
シャツは泳ぐ邪魔にならないよう、生地が薄くて体にフィットしたものがお勧め。ダボっとした大きなサイズだと、体との間にカツオノエボシが入り込む可能性があるので注意。

万全の対策をしたいなら、ウエットスーツがお勧め。肌の露出をほぼ抑えられる。ただし、手足の先や顔は刺される可能性がある。

肌の露出をできるだけ抑えよう(画像はイメージ)
肌の露出をできるだけ抑えよう(画像はイメージ)

(2)浮袋が見えたらその場を離れる
海面にカツオノエボシの浮袋が見えた場合、下は触手が垂れている状態。近づくと絡まれる可能性があるので、その場を離れよう。

露出が多い水着は危険性が高まるので、シャツやウエットスーツの用意がない場合は、海に入るのを避けるか、場所を変えてもいい。

紹介した備えで被害に遭う可能性はぐっと減るはずので、参考にしてみてほしい。

(刺された場合の対処法はこちらの記事へ)

永井宏史(ながい・ひろし)
博士(農学)。東北大学卒業、東北大学大学院修了。民間企業の研究員などを経て、現在は東京海洋大学海洋資源環境学部の教授を務める。海洋生物が持つ毒素の構造、作用するメカニズムなどを研究している。

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