黒潮の大蛇行…。ダイナミックな印象を受ける言葉ですよね。5月9日、気象庁が7年9カ月続いたこの黒潮の大蛇行が終息の兆しがあるという発表をしました。
これはどういう現象なのか。そして岡山・香川にも影響があるのでしょうか。光岡気象予報士が解説します。
(光岡香洋気象予報士)
「まず黒潮ですが、日本近海の海流で太平洋を流れる強い暖流です。通常ですとこの黒潮の流れは南岸に沿って流れるんですが、2017年の8月からは「大蛇行」となっています。その期間は7年と9ヶ月、観測史上最長となっています。
この大蛇行が起こりますと途中で分岐流が生まれ、特に東海、関東の海水温が高くなるということが考えられます。この現象、黒潮の大蛇行になりますと、特に東日本で影響が受けやすいです。こういう被害が発表されています。まず、お風呂の近くはやはり蒸し暑くなりますよね。それと同様に、東日本では猛暑や蒸し暑さが増していきます。そして、水蒸気量が多くなるため、大雨が頻繁に起こりやすくなります。また、高潮の被害も報告されています。岡山県や香川県など、瀬戸内海では海水が上手に入れずに、赤潮の被害が増えているという報告もあります。
では、ここ最近どうなっているのか、少し比べていきたいと思います。
2022年の5月上旬はしっかりと蛇行しているのがわかります。一方、2025年の5月上旬ですが、少し蛇行が弱くなっています。
そして、最新の予報(6月10日予想)を見ていきましょう。
黒潮の大蛇行は収束傾向となっています。ただ、黒潮の大蛇行と西日本の天気は大きく関係しているという研究はまだないんですね。そのため、この先も西日本は大雨による被害が考えられますので、備えというものは必要となっていきそうです。
そして、今日(5月15日)に発表されました気象庁の1ヵ月予報です。まず降水量は香川県では多くて岡山県でも平年並みか多い予想となっています。日照時間も少ない予想となっていますので、2024年よりも大幅に早く梅雨入りする恐れがあります。
では、梅雨に備えて何ができるのか、見ていきたいと思います。
まずは地方自治体などから発表されているハザードマップの確認です。どこが危険な場所なのか、事前に知っておきましょう。また、避難場所も調べておいても良さそうです。そして、食料や飲み物、懐中電灯など防災グッズも準備するようにしてください。すでに準備されている方、賞味期限が切れていないか、そして懐中電灯もつくかどうかなど、しっかりと確認していきましょう。
これから本格的な雨のシーズンとなっています。事前に準備していきましょう」