訪日外国人が急増する中、日本独自の「チップ文化の違い」に戸惑う声も多いが、京都ではチップボックスを設置する店も登場している。一方、東京・池袋のマッスルバー「筋肉女子」など、ユニークな体験型店舗が人気を集めている。予約対応にはオンライン予約システム「ジャパンチケット」が活用され、キャンセル防止に効果を上げているという。
チップ文化のない日本に戸惑う外国人観光客
12日も多くの外国人観光客で大混雑となった、東京・浅草の雷門前。

インドからの観光客:
とても綺麗で平和な感じ。人は多いけど
2025年3月までの訪日外国人は約1054万人と、過去最速で1000万人を突破。ますます増える外国人観光客に、日本で「戸惑った体験」を聞いた。
カナダからの観光客:
(レストランで)チップを払おうとしたら丁寧に断られた。何か間違ったのかと思って少し恥ずかしかった。
アメリカからの観光客:
ホテルの清掃にチップを置いたことがあるけど、それは日本の文化では適切ではないの?

「チップを支払う習慣がない」ことに戸惑ったとの声。しかし、空前のインバウンド需要の高まりを受け、日本でも変化が出てきたようだ。
「Thank you」と書かれた透明の箱に、多くの1000円札が詰め込まれていたのは、京都府内の飲食店のレジ前に置かれた「チップボックス」。「チップ文化」を取り入れる動きは、少しずつ広がっているようで、別の店のチップボックスの中には5000円札も確認できた。
フランスからの観光客:
良い店には何かを与えたいと思う。
「筋肉女子」インバウンド9割以上
一方、いま急激に増えていたのが、日本人よりインバウンド客に人気のお店だ。
取材班:
店内にいるお客さん、ほとんどが外国のお客さんです。
ここは筋骨隆々の女性ばかりが揃った東京・池袋のマッスルバー、その名も「筋肉女子」。

店員の女性:
カシスソーダ、お待たせしマッスル!
連日満席という店内は外国人観光客ばかり。女性客が多いのも特徴だ。
ハワイ州からの観光客:
私、マッチョな女の子と会うのが大好きなの。筋トレしてるから、ほかの筋肉質な女の子を見るのが楽しい。

店の名物は、鍛え上げた腕に力を込めフルーツを絞って作る「生搾りサワー」。非日常的な体験に、来店客も満足のようだ。
アメリカから来た観光客:
インスタグラムで知りました。(Q.なぜ来た?)楽しそうだったから。ユニークで、自分の国にはこんな場所ないから。
アメリカから来た観光客:
楽しいです。とても楽しい。
予約管理に「ジャパンチケット」が好評
SNSを通じて評判が広がったこの店。当初は、各国から殺到する予約の対応に追われていた。

筋肉女子・針替ひとみ店長:
9割以上が海外からの観光客。以前は、海外のお客さまの予約が当日急にキャンセルになってしまったり、電話番号も海外の電話番号なのでつながらなくて。
当日キャンセルなども相次いだことから、導入したのが「ジャパンチケット」というオンライン予約システムだった。
ジャパンチケット・田中宏影社長:
飲食店であれば、売れ筋メニューをどう設定すればいいのか。それを各国向けにどう翻訳すればいいのか。インバウンドの集客で必要な作業、手順をまるっと引き受けている。

海外の予約サイトと連携し、予約の管理や決済代行までをサポートするこのサービス。すでに日本国内の約2000店が導入しているという。
マッスルバーでも、5月の来店者の実に9割以上がジャパンチケットを通じての予約客だという。
筋肉女子・針替ひとみ店長:
キャンセル数が格段に減りました。みなさん事前にお支払いされているので、ほぼ100%の確率で来店してもらうことができる。メリットしかないですね。
(「イット!」5月12日放送より)