こうした「残像問題」は、ただの職場復帰の課題ではなく、キャリアを継続する上で大きな心理的負担となります。特に、責任ある役職についていた人ほど、「今まで通りのパフォーマンスを発揮すべき」というプレッシャーに押しつぶされそうになることが多いのです。

直面する3つの大きな壁

(2)「残像問題以外」の大きな壁
ライフステージの変化に伴う問題は残像問題だけではありません。次のような壁にも直面することがあります。

<1>働く時間帯が固定されるのがつらい
<2>仕事をがんばりたいのに肩身が狭い
<3>アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)に直面し、心が痛む

1つずつ見ていきましょう。

働く時間が固定だとお迎えもハードルが高い(画像:イメージ)
働く時間が固定だとお迎えもハードルが高い(画像:イメージ)

<1>働く時間が固定されるのがつらい
「足し合わせて8時間なら働ける」「その日の労働時間が足りなくても、1ヶ月で8時間×営業日数であれば働ける」ということはあると思います。

しかしながら現実は、その日の労働時間が足りなかったら控除。抜けるたびに、周囲に謝る日々です。そうなると、「時短勤務の方がいいのかな」「いっそのこと辞めた方がいいのかもしれない」という考えが、ムクムクと湧き起こります。

「通勤時間をなくして足し合わせて8時間なら働けるけど、制度上無理だから」と、キャリアを諦めた人を沢山みてきました。私も転職活動中、どんなにいい会社だと思っても、働く時間が固定の会社は選べませんでした。

<2>仕事をがんばりたいのに肩身が狭い
「時短で働かせてもらっている」「急な休みで組織に迷惑をかけている」という気持ちを持つ人も多いです。「少しでも挽回しよう!と仕事を持ち帰って家で仕事をしていると、家族の視線が痛い」という相談もよくあります。

会社でも家でも居場所がない。応援されてない気がして、心が折れてしまうのです。

<3>アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)に直面し、心が痛む
「夫と協力して乗り越えよう!」と夫婦でワンチームになっても、アンコンシャスバイアスの圧に押しつぶされそうになることがあります。