道の駅に夜間、暴走族や改造車が集まり、騒音などで、ほかの利用者や近隣住民に被害を及ぼす「夜の迷惑行為」が全国で問題になっている。広島県東広島市の道の駅では検問や夜間消灯などの対策で迷惑行為が5分の1に減った。
「道の駅」で「夜の迷惑行為」防止で検問
東広島市の国道2号線沿いに2022年に開業した「道の駅 西条のん太の酒蔵」には飲食店や土産物店などがあり、夜は10時で閉店となる。ここには、大型車81台、小型車138台が止められる広い駐車場がある。

4月11日金曜日の夜には近くで警察官や国交省・中国運輸局の職員が検問を実施し、車やバイクの整備不良のほか運転手のアルコールなどのチェックを行った。

この場所で検問が行われた理由は、道の駅の店舗開業以来、夜間にバイクや改造車の集団が駐車場に集まり、”たむろ”する「迷惑行為」が頻発し、騒音などで近隣住民やほかの利用者から苦情が出ていたからだ。監視カメラは2024年11月にバイクや改造車の集団をとらえていた。
近くに住む人によると、「すごくうるさい車が周辺をぐるぐる回っていたりした」といった目撃情報も。

検問を行った東広島警察署の大月良太交通課長は「近隣住民から『うるさくて眠れない』とか、施設の利用者から『こわくて利用できない』という通報が非常に多くあったので、取り締まりを計画した」と語る。
夜10時に完全消灯 段差設置の対策
検問だけでなく、道の駅は、1月から独自の対策を講じた。

駐車場の入り口には、スピードを出せないように段差が設置された。
また、「許可のない集会や空ぶかしは禁止」と書かれた警告看板も数か所に設置。
そして、道の駅の店舗が閉店する夜10時には、駐車場の照明を全て消灯するようにした。

その結果、広島国道事務所が調べたところ、週末の午後8時から翌午前6時までの車やバイクが集まる迷惑の行為の回数は、対策前の5分の1以下にまで減ったという。

道の駅 西条 のん太の酒蔵の大室哲史駅長は、「確実に減っているのは、いろいろなご支援が実を結んでいるということ。ただ、まだ迷惑行為があるので、引き続き取り組んでいく」と、まだ対策が必要な状況だという。

取材した竹内研二記者によると、近隣住民からは「夜は閉鎖してほしい」という要望もあったそうだ。ただ、取材した日には、岐阜や愛知など遠方から車で来た観光客やトラックの運転手なども、駐車場を利用していて、長時間運転してきた人の貴重な休憩の場にもなっているので、駅長は、閉鎖せずに状況を改善したいという思いがあったそうだ。
対策は一定の効果があったものの、まだ道半ばという事で、駅長は今後も国や市と話し合い対策を進めていきたいとしている。
(テレビ新広島)