コンビニや自販機で目にするエナジードリンク。子供でも飲みやすい甘い味付けは、カフェイン本来の苦みを隠すためだという。薬物依存の専門家である精神科医の松本俊彦さんは、「子供の頃からカフェインで気分を変えることが習慣になると、薬物依存の入り口になる」と警鐘を鳴らす。

カフェインの急性中毒で救急搬送される人、そして死亡する人が2013年から増えています。多くが20代の若者です。

実はカフェインを取りすぎると、急性中毒で死亡することがあります。事故に至る可能性が出てくるカフェインの量が5g。この量をコーヒーで取ろうとすると100杯近くを短時間で飲まないといけないため、普通はできません。急性中毒になるほとんどの人は、市販の風邪薬や眠気覚ましのカフェイン錠を大量服用(オーバードーズ)しています。

風邪薬を大量に服用するとカフェインの急性中毒で死亡することもある(画像はイメージ)
風邪薬を大量に服用するとカフェインの急性中毒で死亡することもある(画像はイメージ)
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風邪薬のオーバードーズで死に至る原因は、解熱鎮痛成分であるアセトアミノフェンか、カフェインによる急性中毒であるケースが多いのです。

風邪薬や眠気覚ましは昭和の初期からあったものですが、なぜそれらによるカフェインの急性中毒が急に増えたのか。私は、これにはエナジードリンクの普及に関係があると推測しています。