発生から4日目となった愛媛・今治市の山林火災。

記者リポート:
火が民家の近くまで火が押し寄せてきています。消防隊が火の勢いを食い止めています。
依然、鎮火のメドは立っていない。
そして、炎から空に向け飛び散る“火の粉”が住宅地に迫っていた。風により、離れた場所に火が燃え移る「飛び火」。その恐ろしさを目の当たりにした。
「あっちもこっちも火が飛ぶ」
山林に立ち上る巨大な炎。すぐ横では激しい風で樹木が左右に大きく揺れているのが分かる。

「ヤバいな!」
炎が目前に迫る中、懸命の消火活動に当たる消防団。

26日で発生から4日目を迎えた愛媛・今治市の山林火災。焼損面積は日を追う毎に増え、午後2時時点で約417ヘクタールに及んだ。
避難した住民:
風がまた酷かったでしょ。突風が吹いたりしたら、もう火がすごい舞い上がったりして。
“飛び火”への恐怖を語る住民。実際に住宅にも被害がでている。

記者リポート:
こちらが焼けてしまったお宅です。なんとか2階があったというのは分かるんですけど、すっかり窓などはなくなっています。
火元とみられる山林にほど近い、今治市の桜井地区。
(Q.最初に火が見えたのは?)
近隣住民:
このバイパス、鉄塔よりだいぶ下のところ。パンパンパンと竹が割れる音がした。
住民は、瞬く間に燃え移る炎を目撃していた。

(Q.火が線路をこえて?)
近隣住民:
こっちにいった。(畑の)あそこら辺がポッと燃えて、ぶわ~っと広がって。こっちにきて。もうあっちもこっちも火が飛ぶし、風も強かったろ。今思うと涙が出る、辛かった。
風に乗り、次々と“飛び火”していったという炎。

26日深夜2時ごろの映像には、燃えさかる炎から上空に向けて飛び散る無数の「火の粉」が確認できる。

この火の粉が火元となり、“飛び火”して燃え広がったのか。山のあちこちに点々と大きな炎が上がっているのが分かる。
専門家は、時に500mもの距離で飛び火が起き、被害が拡大するケースもあると指摘する。

京都大学防災研究所・峠嘉哉 特定准教授:
“強風乾燥”という条件の中では「飛び火」も起きやすく。私の調査の時には500m飛んだ。延焼速度が早いときは、消火活動が非常に難しい。

上空に向け、凄まじい勢いで吹き上がる火の粉…地元消防団が撮影した映像では、遠く前方に見える火元から飛んできたのか、おびただしい数の小さな火の粉が足元に降り注いでいるのが分かかる。

今治市消防団:
夜なんかは風があるときは火の粉が見える。たぶんそういう飛び火でしょうね、それで(燃え)移ったんやと思います。
炎が迫る中で…保護犬の救出
山肌が激しく燃え、炎が迫る中で行われたのは保護犬の救出作業。これは火災現場のすぐそばで犬の保護活動を行っていた団体が撮影した映像。

犬64頭救援プロジェクトえひめ・金本ひかり代表:
本当に緊迫というか、もう初めてのことなので。必死であの一頭でもケージに入れなくちゃって。
強風が吹き荒れ、飛び火の恐怖を感じながらも、全頭を救出することができたという。

犬64頭救援プロジェクトえひめ・金本ひかり代表:
塵というか、焼けたものがパラパラ降ってきていたので、風に乗って。救出している時に飛び火して何か起きたらどうしようと
列島各地で相次ぐ山林火災。専門家は2025年の異常な乾燥が要因になっていると指摘する。

京都大学防災研究所・峠嘉哉 特定准教授:
やはり今年は太平洋側で特に降水量が少ないという、乾燥した傾向が広がっていて、林野火災が一度起きると大規模化する傾向がすごくある。いつも以上に火の取り扱いには注意していただくことが必要。
(「イット!」 3月26日放送より)