警察官の制服のデザインが、31年ぶりに変わる。
新しい制服は2025年4月から順次導入となり、女性警察官のスカートの支給が廃止され、女性もズボンに統一されるという。
なぜ廃止となるのか、そもそもなぜ女性警察官の制服がスカートだったのかを解説する。
スカートの支給廃止…女性もズボンに統一
4月から導入される新しい制服の夏服は、暑さ対策として通気性などを重視し、ポリエステル素材を使っているということで、触ってみても非常に軽い。

帽子も上の部分がメッシュ素材になるという。

そして女性警察官の制服について、現在はスカートかズボンを選べるようになっているが、4月からはスカートの支給が廃止され、女性もズボンに統一されるという。
なぜ今回廃止となるのか、そもそもなぜ女性警察官の制服はスカートなのか、時代の変化とともに見ていく。
49年前の1976年にスカートの制服登場
遠藤玲子キャスター:
女性警察官の統一された制服が登場したのは、今から49年前の1976年。当時(1977年)の映像を見ると、皆さんスカートを着用しています。この時は、冬服のみズボンがあったということでした。

では、なぜ女性警察官の制服がスカートだったのかーー。
警察庁に聞いてみたところ、「当時は、“基本は女性はスカート”という一般的な考えがあったのではないか」ということだった。

遠藤キャスター:
そして、1982年の映像を見ると、都内の違反者の取り締まりをする女性警察官はスカート姿で、地面に文字を書くときもスカート姿のまま、身をかがめていました。
31年前に現在のデザインに
31年前の1994年、現在のデザインの制服が登場した。

この時から、女性警察官は1年を通し、スカートだけでなくズボンも選べるようになったという。
なぜこの時代から選べるようになったのか警察庁に聞いてみたところ、「はっきりとした理由は分からない」という回答だった。
しかしこのあと、ある変化が起きる。
仕事の内容に男女差なくなり…
かつては警察学校を卒業すると、男性は交番に配属、女性は交通指導など、当時は仕事の内容も男女で違いがあったという。

遠藤キャスター:
それが現在、警察学校を卒業すると、男女ともにまずは交番配属からスタートするようになったということで、警視庁では2009年ごろからこうした動きがあり、「同じ仕事なのに男女の制服に違いがあるというのはおかしいのではないか」という現場からの声もあって、選べるようになったのではないかということでした。

働き方も変化する中で、大半の女性警察官がズボンで勤務しているということで、実情に合わせてスカートが今回廃止になるということになった。
青井実キャスター:
JR東日本でもスカートが廃止されているし、日本航空では、女性客室乗務員の制服にパンツスタイルが導入され、スカートと好きな方を選べるようになっている。時代の変化というのもあるわけですよね。
スペシャルキャスター・柳澤秀夫さん:
僕らの世代というのは、やっぱり制服というのはその仕事の象徴でもあったから、子どものころに「あの制服を着てみたい」という憧れがあったと思うんですけど、時代が変わって仕事の中身本位で考える時代になってきたんですね。

新たな制服の導入は2025年4月1日からで、希望する都道府県警から順次導入され、夏服の運用は、多くの都道府県警で5月に始まるという。
全国的にも暑い埼玉県警の熊谷署を含む4署においては、新たな夏服は2025年の5月から運用・着用するという。
(「イット!」3月21日放送より)