現在も、市区町村の固定資産税課で「名寄帳」という書類は発行できますが、あくまで各自治体が把握している不動産が対象となります。

2026年2月に「所有不動産記録証明制度」がスタート予定(画像はイメージ)
2026年2月に「所有不動産記録証明制度」がスタート予定(画像はイメージ)

所有不動産記録証明制度では全国の不動産が対象となるので、県外に別荘があったりした場合など、漏れなく不動産を把握できるようになるものと思われます。

その他、マイナンバーを活用した預貯金の一括照会制度も整備されつつあります。本人が生前にマイナンバーと口座をひも付けしておくなど前提条件がありますが、広く活用されるようになると銀行での調査に寄与するはずです。

縦割りだった相続手続きが少しずつ横断的なものになるよう整備が進んでいます。超高齢社会、そして、多死社会を迎えた今、相続は誰の身にも起こり得ることです。

円満な相続にするには、何と言っても“最新の知識と準備”が求められます。

(財産の洗い出し方を知りたい場合はこちらの記事へ)

岡信太郎
岡信太郎

司法書士、合気道家、坂本龍馬研究家。大学卒業後、司法書士のぞみ総合事務所を開設。政令指定都市の中で最も高齢化が進む北九州市で相続・遺言・成年後見業務を多数扱う。著書には『済ませておきたい死後の手続き 認知症時代の安心相続術』(角川新書)、『子どもなくても老後安心読本 相続、遺言、後見、葬式…』(朝日新書)、『財産消滅 老後の過酷な現実と財産を守る10の対策』(ポプラ社)など。