相続の手続きを行うには、故人の財産を洗い出して計算し、必要があれば税務署へ申告を行う。
その過程には、資料を集めたり書類を作成したりといった煩雑な作業が伴うため、素人の手に負えなくなる場合も。
そんな時に頼るべき専門家と役に立つ制度について、司法書士の岡信太郎さんが解説する。
(財産の洗い出し方を知りたい場合はこちらの記事へ)
一生に何度も経験するわけではない相続で、いざというときにどんな専門家に頼ればいいのか分からないという人も多いでしょう。
頼りになる専門家と、上手に活用すると手続きが楽になる制度を紹介します。
財産の洗い出しを頼めるのは
「戸籍の取得」や「財産の洗い出し」は、司法書士などの専門家に頼むこともできます。
例えば、所有している不動産を把握したい場合は、固定資産税の納税通知書や評価証明書を確認することで可能です。
しかし、それらに載っているのは、固定資産税がかかる不動産が基本的に対象となります。
つまり、税金がかかっていないような山林、私道といったいわゆる評価の低い不動産については、例年4月に届く納税通知書には記載されない可能性が高いのです。

その点、筆者のような司法書士に頼めば、物件漏れがないよう調査を行います。不動産だけでなく、遺産承継業務として銀行の調査を依頼することもできます。
税理士、弁護士に頼るケース
相続税の申告の必要性が出てきた際は、通常は税理士に相談することになります。