岩手県大船渡市の大規模山林火災で、発生から13日目となる3月10日、全ての避難指示が解除された。最大4596人に出されていた避難指示が全て解除となり、避難所では自宅に戻る準備をする人々の姿が見られた。一方で、被害の状況が徐々に明らかになり、特に被害の大きかった三陸町綾里の港地区では、住宅15棟の全壊を含む42棟の建物被害が確認されている。
「待ちに待った」解除に安堵の声
大船渡市は10日午前10時、綾里地区全域と赤崎町の合足・外口・長崎への避難指示を解除した。

避難した人々からは安堵の声が聞かれた。ある避難者は「うれしいですよ、やっぱり。まず冷蔵庫を片づけたい、みんな腐っているでしょうから」と話し、別の高齢の避難者は「待ちに待った避難指示解除が出たとひと安心している。高齢だからほっとしたのが正直なところ」と語った。
163棟の建物被害
綾里地区では163棟の建物被害が確認された。
現場に立ち入ると、火災により崩れた建物や骨組みだけになった建物が目に入る。

特に被害の大きかった三陸町綾里の港地区では、焼けた住宅跡が残り、道路では破片の改修作業をする住民の姿が見られた。
市によると、9日までに少なくとも210棟の建物被害が確認されており、このうち102棟が住宅だという。
復興へ向けた市の取り組み
大船渡市は、自宅を失った人のために避難所の運営を続けることにしている。
また、仮設住宅建設の調整を進めているほか、り災証明書の交付受け付けを3月14日から開始する予定だ。

山林火災は10日に「鎮圧」が発表されたが、まだ「鎮火」には至っていない。消防と消防団が引き続き鎮火に向け全力で消火活動を続けている。
(岩手めんこいテレビ)