「仮に子供2人が親と一緒に片付けを行うとしたら、有給休暇を取って1日片付けをする日をつくったとしても、短くて1週間、長ければ3カ月はかかると考えましょう」

片付けが進まないのは、家財が多いだけでなく、「捨てるものと残しておくものの判断がつかない」という理由も挙げられるようだ。もし親の死後、遺品整理業者に依頼した場合の費用はどの程度になるだろう。
「目安ですが、3LDK~4LDKの戸建てであれば、20~30万円で請け負うことが多いでしょう。一般的に、2~3人のスタッフが2~3日で整理を行います。家財の量や家の広さによって日数が変わり、費用も上下します」
事前に片付けても費用は変わらない?
20~30万円の負担がかかることを考えると、少しでも自分たちで片付けたほうがいい気もするが、木村さんは「片付けても片付けなくても、費用負担はあまり変わらない」と話す。
「片付けをして家財が半分以下に減るのであれば、遺品整理の費用も変わります。しかし、家財が2割減ったくらいだと費用はあまり変わらないので、片付けるならとことんやることをおすすめします」

ちなみに、遺品整理業者の多くはごみの処分や貴金属・家電などの換金も請け負うため、そのコストや労力も含めると妥当な費用だと感じる人も多いようだ。
「都市部では、遺品整理業者に頼まれる方が多い印象です。また、地方に住んでいる親御さん自身が、『遠くに住む子供に迷惑をかけられない』という理由から依頼してくるケースも増えてきています」
「ぬいぐるみの中から指輪が」
それでも、木村さんは「親と一緒に片付けをすることはとても大事」と、話す。