休んでいるのに疲れがとれない。そんなとき、皆さんはどうしているだろうか?
「多くの人は疲れているにもかかわらず、休養のリテラシーがないので、どうしたら良いのか分からず、さまよってしまっている」
こう話すのは、長年にわたって「休み方」を研究している、一般社団法人日本リカバリー協会の代表理事・片野秀樹さん。
疲れの正体と解消するための基礎知識を教えてもらった。キーワードは“攻めの休養”だ。
実は「疲れ」を放置している
世間はそもそも「疲労(疲れ)」というものを勘違いしていると、片野さんは指摘する。
「疲労(疲れ)は『あなたの活動能力が低下していますよ』という、病気になる前に現れるシグナルの1つです。多くの人が『疲労』と思っているものは、疲労が蓄積した際に出る不快感のことを言います」

人間の体は、肉体的や精神的な負荷が重くなると「このままでは危険」と感じ、「疲労」というシグナルを出す。これは「発熱・痛み」とならんで、病気になる前の警告だという。
発熱や痛みだと病院に行ったりするが、疲労は「いつものことだ」と見落としがち。気持ちやドリンク剤でマスキング(覆い隠すこと)して、根本的な問題を放置するので、いつまでも疲れがとれないのだという。

そんな状態が続くと、自律神経が乱れ、目の疲れや不眠、肩こりなど筋肉の張り、便秘や下痢などの不調が出てくる。無理して活動を続けると、仕事のパフォーマンスも悪くなり、最終的には病気につながってしまうリスクがある。