精米とは、簡単に言えば玄米を白米にする作業のこと。
「米をおいしく食べる目安として、我々は『精米から1~2カ月』という期間をお伝えしています。夏場の暑い時期などは、鮮度の低下も早まるため、より早めに食べきることがお勧めです」
ということは、買いだめして家庭で長期保管された新米や、転売されて不適切な環境で保管されていた新米の場合は古米よりも味が落ちている…ということもありえるということだ。
15度以下で密閉容器で保管を
全農パールライス品質管理部は、精米後の米を家庭で長期保管することは勧めておらず、「1~2カ月で食べ切れることができる量のローリングストックのみを持つようにしていただければ」と話す。
そのうえで、家庭で精米後の米を保管する際は、「密閉容器に米を移して冷蔵庫の野菜室で保管」することを勧めている。

「15度以下の環境になるので鮮度の低下を防げますし、虫の発生も抑制できます。米は他のもののニオイを吸収しやすい性質もあるため、密閉容器に入れることでニオイが付くことを防げますし、水濡れによる変色も防止できます」
袋のままで保管するよりも密閉容器に移すことを勧めるのは、販売時の袋には破袋防止のために小さな通気孔があるため、そこからニオイが入ることがあるためだ。また、袋がニオイを通す素材の場合もあるという。
洗剤などの近くに置かないで!
とはいえ、冷蔵庫の容量が小さく、大量の米を入れる余裕がない家庭もあるだろう。
「その場合は密閉容器に入れて、直射日光が当たらず風通しの良い冷暗所に置いていただくのが良いでしょう。密閉容器での保管ができない場合も、冷暗所に置けば劣化は抑制できます。また、ニオイ移りを防ぐために、洗剤、柔軟剤、芳香剤、せっけん、たばこの吸い殻などの近くには置かないようにしましょう」
一度米にニオイが付いてしまうと落とすことはできないという。米を最後までおいしく食べるためにも低温・密閉を徹底したい。
(古米を炊くコツや特徴を生かした調理法はこちらの記事で紹介)
全農パールライス
米穀取扱企業。品質管理部は全国の精米工場の品質管理や、食品安全の取り組み、お客様相談室の対応などを行う。また同社のホームページやYouTube、各種SNSでは、米の保管法などの消費者に役立つ記事や動画を配信中。
https://www.zpr.co.jp/inquiry/
取材・文=古澤誠一郎
イラスト=さいとうひさし