明日は仕事で早く起きなければいけない。明日は子供のお弁当の準備があるから早く起きないと……。

そんなとき、あなたは「いつもより早く寝よう」とすることはないだろうか。

しかし、睡眠研究の第一人者で、筑波大学国際統合睡眠医学研究機構副機構長の櫻井武さんは「いつもより早い時間」は「もっとも眠れない時間」だとする。

著書『睡眠と覚醒をあやつる脳のメカニズム~快眠のためのヒント20~』(扶桑社新書)から、一部抜粋・再編集して紹介する。

明日早く起きなければいけないとき、どうすればいいのだろうか。

明日早くてもいつも通りで

仕事なりレジャーなりで翌朝、いつもより早く起きなくてはならないとき。

「明日の朝は早いから、今日はいつもより少し早めに寝よう」と早々にベッドに入ったものの眠れず、むしろ、いつもより寝つくのが遅くなってしまった……という経験は誰しもあるだろう。

翌日の朝が早い日でも、いつもどおりの時間に寝るのがいちばんだ。

というのも、「いつもより少し早く寝よう」という時間は、体内時計から覚醒の信号が強く出る、生理的にもっとも眠れない時間なのだ。

1日のうちもっとも眠れない時間帯がある(画像:イメージ)
1日のうちもっとも眠れない時間帯がある(画像:イメージ)
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この1日のうちで、もっとも眠れない時間帯を「睡眠禁止帯」という。具体的にはふだんの就寝時間のおおよそ2時間前。就寝時間が23時の人であれば、21時の前後2時間ほどが睡眠禁止帯となる。

「早く寝たい」という気持ちはあっても、脳と体は「起きていよう」としているのだから当然、なかなか眠れない。翌朝にそなえ、わざわざ早く、ベッドに入ったのになかなか寝つけず、気持ちが焦る。

「朝、ちゃんと起きられるだろうか……」 「寝不足だと明日、調子がでないかも」などと不安になると、さらに頭が冴さえてしまう。