国会では2月17日、来年度予算案をめぐり党首同士が激突した。笑顔を見せる石破首相に対し、元首相の立憲民主党・野田佳彦代表が迫った。
元首相・野田代表の「トラウマ」発言
2月17日午前10時過ぎ、衆院予算委員会の冒頭。野田佳彦代表は「トラウマがありましてね」と野田節を発揮。

立憲民主党 野田佳彦代表:
私の時は年度内成立できませんで、暫定予算を組んだんです。厳しく責任を問うてきたのが、予算の筆頭理事だった石破茂さんでした。

首相を務めていた2012年、予算の年度内成立ができなかった野田代表は、当時野党だった「自民党」から厳しい追及を受けたことを“トラウマ”と表現。

野田代表の責任を追及したのが、石破首相だった。
衆院予算委員会 自民党・石破幹事長(2012年3月当時):
なんでこんなことになったのか。暫定予算を組むに至ったということは、政府としてその責任は感じるべきではありませんか。
衆院予算委員会 野田首相(2012年3月当時):
深く反省しております。

2025年の現在、立場が逆転した2人。野田代表がリベンジするかと思いきや…
立憲民主党・野田佳彦代表:
報復をしたらきりがありませんのでね。ここはぐっと我慢をして、思うところはありますけれども。
焦点は「高額療養費制度」
2月17日の衆院予算委員会で質問に立った、日本維新の会・前原前原誠司共同代表が求めたのは、「高校の授業料無償化」。

これに対し、石破首相は「令和7年(2025)度の予算を修正する方向で与党とも相談をしていきたいと申し上げた」とした上で、さらに、私立高校に通う世帯の授業料の支援金を、現在の上限39万6000円から45万7000円をベースに引き上げることを表明。維新の要求を、一定程度、受け入れた。

一方、この国会で焦点の1つとなっているのが「高額療養費制度」の見直しだ。
この制度は、入院や手術で医療費が高額になった場合、上限額を超えた負担分が払い戻される仕組み。

政府は保険制度の維持のため、上限額を引き上げる方針だったが、石破首相は2月17日、“一部を修正”すると発言した。
石破茂首相:
今般、高額療養費に年4回以上該当される方の自己負担額の見直しを凍結し、据え置くということを、政府として決断しました。
1年に4回以上の利用については、上限を据え置き、「負担額は変わらない」と強調したのだ。

これに対し、立憲民主党の野田代表は…
立憲民主党・野田佳彦代表:
当事者である皆さんの意見を聞かずに、こんな大事な政策を決めるなんてことはあってはならない。一部修正ではなく、凍結をし、これにかかわる予算200億円を見直すべきではないでしょうか。

野田代表が「命を縮めるようなことは、うかつにやってはいけない」と語気を強め反発するのに対し、石破首相も
石破茂首相:
全て凍結した場合に、現役世代の方々でも年に3000円~4200円の負担が増えてくる。これは制度として持続化困難だと判断している。
としている。
(「イット!」2月17日放送分より)