車種特定
車に詳しい捜査員が、目撃情報Iで新聞配達員が目撃した不審なワゴン車はトヨタのエスティマの「ルシーダ」か「エミーナ」という車種ではないかとの推論を出してきたのだ。
ワゴン車の横を通り過ぎる際にナンバーが見えたが泥で汚れていた」との詳しい証言が捜査員のひらめきに繋がったという。
ハッチが開いた状態のワゴン車の後部ナンバーが見えたという事実が重要だった。
当時のワゴン車の後部のナンバープレートは、ハッチそのものに取り付けられているものがほとんどだったからだ。

この観点から調べると、トヨタ・エスティマの通常のタイプではなく「ルシーダ」あるいは「エミーナ」というタイプが、ハッチの下にあるバンパー部分にナンバープレートが取り付けられるデザインになっていることが判ったのである。

目撃証言は「車の形は少しフロントノーズが出ている感じがした」としている点も、卵形のエスティマの基本的な形状と一致した。
さらに調べを進めたが、当時のワゴン車の中で後部ハッチそのものにナンバーを取り付けていない車種は他に見当たらない。

Xの取り調べにあたっている石室ら3人にも、特捜本部本体から不審車両についてエスティマの「ルシーダ」か「エミーナ」の可能性があるとの情報がもたらされる。
この情報が更なる繋がりを見せた。