24年前の2001年、福山市の住宅で主婦が殺害された事件で、殺人などの罪に問われている男の裁判員裁判が2025年1月30日から始まった。裁判の4日目である2月6日、検察は男に“懲役15年”を求刑した。

争点は依然として“DNA型鑑定の結果”

この事件は2001年2月、福山市明王台の住宅で福山市西新涯町の無職・竹森幸三被告(70)が、当時35歳だった主婦を殺害したとして、殺人と住居侵入の罪に問われているものである。

初公判での竹森幸三被告(スケッチ:山上幸二)
初公判での竹森幸三被告(スケッチ:山上幸二)
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1月30日の初公判では、竹森被告は「記憶にないからわかりません」と起訴内容を否認。
検察側は「現場に残された血痕のDNA型が竹森被告のもの一致した」と主張した一方で、弁護側は「一部が竹森被告の型と一致していない」と主張した。

1月31日、裁判2日目の証人尋問では、DNA型鑑定の専門家が「現場に残った右足靴下の血痕は2人分のDNA型が混じっていて、9割は被告人の型だと考えられる」と証言。さらに「時間経過によって劣化が進んでいる」と、考慮すべき点についても指摘した。

2月5日、裁判3日目の被告人質問では、弁護人から事件当日に現場に行ったか問われると、竹森被告は「ございません」と犯行を否認。また、事件当日については「釣り場の確認に行っていました」とアリバイを示すような供述をした。

そして今回の2月6日、裁判4日目では、検察は「DNA型鑑定の結果から現場に残った血液は被告人のものと言える」と強調し、「事前に凶器を準備するなど計画的な犯行」と指摘。懲役15年を求刑した。また、遺族の弁護士は“死刑”を求めた。

それに対し弁護側は「DNA型鑑定で一部被告人の型と一致していない」と主張し、「被告人が殺害したことに疑問が残る」と述べ、改めて“無罪”だと訴えた。

この裁判は、2月12日に判決が言い渡される。

(テレビ新広島)

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