親はなぜ、シェアレンティングに走ってしまうことがあるのだろうか。親が子育てアカウントを持つのは、「子育て中、孤独に感じていることが大きい」と鈴木さんは分析する。

最初は育児の情報を知りたいとSNSを始めるものの、つながりを持ちたい・自分も発信したいと思うようになり、投稿を始める。
子育てに関する投稿は、写真が投稿できるInstagram、Facebookを中心によくみられ、Facebookは高校・大学生など、比較的大きな子供がいる、50代の利用も多いそうだ。
「つながりを持つことで良い面もありますが、我が子を全世界にさらしている状況なことは、頭に入れておいてほしいと思います」
親は投稿前に「3つの徹底」を
シェアレンティングによる危険性を防ぐには、どう気を付ければよいのか。鈴木さんは、以下の3つを徹底してほしいとアドバイスする。
・SNSの公開範囲を狭める(親しい人などに限定する)
・写真にプライベートな情報(名前、住所、学校名など)が写り込んでいないか確認する
・子供の顔はスタンプやモザイクなどで隠し、本人が特定できないようにする

また、投稿ボタンを押す前のちょっとした意識も大切だ。衝動的に投稿するのではなく、心にブレーキをかけてみるのもよいという。
「一旦下書きで保存しておき、翌日になっても発信したいと思えば、投稿を考えてもいいでしょう。時間を置いて心を落ち着かせることで『やっぱりこれは投稿しなくてもいいな』という気持ちにもなったりします」

子供に自我が芽生えれば、本人に許可を得ることも必須だ。「今からSNSにアップする写真を撮っていい?」などの声掛けをしたい。
顔が写った写真を投稿する場合は、本人の意思で顔出ししていることを、投稿文の中で一言添えておいてもよい。