連絡を取ったり、検索をしたり、買い物まで。ネットを使う中で、自分の個人情報が流出する危険性を考えたことはあるだろうか?
ネットセキュリティーに詳しい、SBテクノロジー株式会社のプリンシパルセキュリティリサーチャー・辻伸弘さんによると、「ネット上に流出した情報は基本的に消せない」という。

そこで、考えられるリスクと被害を防ぐための対策を教えてもらった。
履歴をこまめに確認しよう
スマートフォンやパソコンなどの端末から、データ・情報が流出したことに個人が気づくことは難しい。分かるとしたら「アカウントのログイン履歴」や「クレジットカードの利用履歴」からだと、辻さんは指摘する。

悪用されたタイミングで知ることも多く、チェックしなければ気づかないことも。そのため、第三者からのアクセスや不正利用がないか、定期的に確認することが大切という。
もし、個人情報(氏名、住所、生年月日、ID・パスワードなど)が流出すると、以下のような被害が考えられるとのこと。
「個人情報、データの悪用」
知らないうちに、自分の情報が売買されたり、悪質な営業に使われたりする可能性がある。
「金銭的被害」
決済アプリでチャージ・送金される、クレジットカードを不正利用される。または、勝手にネットショッピングされ、知らない宛先に送られる、といった金銭的被害も。
「なりすまし」
自分が利用するECサイト・SNSなどのID・パスワードが流出し、アカウントを乗っ取られる。氏名などが別の犯罪に利用されるといった、二次被害につながることも考えられる。
マルウェアの感染に注意!
辻さんは「悪意あるソフト(=マルウェア)に感染して情報が盗まれることが多いです」といい、きっかけは大きく3つあるとする。

(1)メールなどでのフィッシング
「アカウントがロックされました」といったメールで偽サイトに誘導し、ID・パスワードを入力させて盗んだり、マルウェアに感染させたりする。URLリンクや添付ファイルにも注意。実在のサービスや会社をかたる場合もある。
(2)怪しいウェブサイトの広告
怪しいウェブサイトなどに出てくる広告へアクセスすると、悪意あるサイトに誘導され、マルウェアがダウンロードされることがある。
(3)ソフトのインストール
ウェブ検索などから見つけたソフトをインストールすることで、同時にマルウェアにも感染する。目的のソフトは問題なく使えるため、被害に気づきにくい。
このほか、意外なところから情報流出が起きることもある。