スマートフォンなどの普及により、今の子供はSNSが身近となった。ただ、ネットの炎上や個人の特定などに巻き込まれることもある。

そんな状況を避けるため、親子ができる対策について、ITジャーナリスト・スマホ安全アドバイザーの鈴木朋子さんに聞いた。日頃からの意識が、トラブルの回避につながるという。 

モザイクアプローチでの特定も

今の子供は「SNSは知っている友達とつながるもの」という認識があり、節度を守って使っていることが多い。ただ、思わぬことから個人の特定がされると、鈴木さんは指摘する。

・友達に向けた投稿が、第三者に拡散された
・周囲に悪影響を及ぼした投稿に巻き込まれた
・他者を傷つけるコメント(返信)をした

こうしたきっかけで炎上し、写真に写り込んでいた情報から特定され、誹謗中傷を受けて裁判に発展したこともあるという。YouTubeやTikTokなどの動画投稿サイトに投稿していると、個人宅がばれるケースも。

複数のSNSから情報を収集する「モザイクアプローチ」(画像はイメージ)
複数のSNSから情報を収集する「モザイクアプローチ」(画像はイメージ)
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また、SNSにわずかな情報しか投稿していなくても、投稿された文章・写真を組み合わせて情報を収集する「モザイクアプローチ」で特定される危険もあるそうだ。

例えば「最近旅行に行った」といった一言や、旅行先の写真を何気なく発信しただけでも、その人が利用しているであろう、別のSNSが見つけられることもあるという。

動画は情報が入り込みやすい

子供がそうしたトラブルに遭遇するのは避けたいが、親はどう気を付ければいいのか。

SNSの炎上は投稿だけではなく、返信から起きることもあり得るので、鈴木さんは「子供が何を発信していて、誰とやり取りしているのか把握すること」が大切とする。

SNSへの接し方を把握しておきたい(画像はイメージ)
SNSへの接し方を把握しておきたい(画像はイメージ)

「友達の投稿に自分の親の仕事に関することを書いてしまう可能性もあるので、返信やコメントでも家庭のプライバシーを書かないように話しておくといいですね」

親はできれば、子供のSNSアカウントを把握しておくほか、スマホの画面ロックを解除するためのパスワードも知っておきたい。

現実的に難しいのであれば、氏名、顔、住んでいる地域など、特定につながる情報は投稿しないように伝えておこう。特に動画は写真や文章と比べても、プライベートな情報が入り込みやすいので注意が必要だという。