水原一平被告が大谷翔平選手になりすまし、銀行に不正な送金を要求するやりとりが記録された音声データを、アメリカの連邦検察が裁判所に提出した。
検察側は水原被告に対し、4年9カ月の禁錮刑と、賠償金として26億円余りの支払いなどを求める文書を裁判所に提出。
現地時間2月6日に量刑の言い渡しが予定されている。
「目的は?」「車のローンです」大谷選手とまったく似ない声で
違法スポーツ賭博に関与し、大谷翔平選手の口座から金をだまし取ったとして、銀行詐欺などの罪に問われている元通訳の水原一平被告。

今回、アメリカの連邦検察が裁判所に提出したのは、3分46秒の“なりすまし音声”だ。

銀行員:
どちらさまでしょうか?
大谷翔平選手になりすます水原被告:
大谷翔平です。
この音声データには、水原被告が大谷選手になりすまし、銀行に不正な送金を要求する生々しいやりとりが記録されていた。

銀行員:
どのようなご用件でしょうか?
大谷翔平選手になりすます水原被告:
オンラインバンキングにログインしようとしたが、「現在利用できない」と言われ、電話するようにと言われました。
大谷選手のふりをして、銀行の担当者と会話する水原被告。
その声は、大谷選手とまったく似ていない。

銀行員:
受取人の名前と取引金額を教えていただけますか?
大谷翔平選手になりすます水原被告:
20万ドルです。

銀行員:
この取引の目的は何ですか?
大谷翔平選手になりすます水原被告:
車のローンです。

車のローンのために、20万ドル、日本円で約3100万円の送金を要求。
続いて金の受取人との関係を問われると、さらにウソを重ねた。

銀行員:
受取人との関係は?
大谷翔平選手になりすます水原被告:
ええと…彼とは友人です。

銀行員:
あなたはその友人と直接会ったことはありますか?
大谷翔平選手になりすます水原被告:
はい、何度も。
ドジャース移籍で年収増額も「借金に追いつかず」
検察側は水原被告の年収について、ロサンゼルス・エンゼルスからロサンゼルス・ドジャースに移って約7800万円に増額されたと指摘した。

そのうえで、「手厚い給料を得ていたにもかかわらず、ギャンブルによる借金には追いつかなかった」と説明している。

公開された音声の中で、水原被告は、銀行員が何度質問をしても大谷選手へのなりすましを続けた。

銀行員:
送金情報を(受取人に)どのようにして知らせたのですか?電話かメールで送られたのですか?
大谷翔平選手になりすます水原被告:
ええと…彼は私にメールを送ってきました。

銀行員:
直接会って送金番号を確認したということですね?
大谷翔平選手になりすます水原被告:
はい。

銀行員:
今後、友人宛てに送金がある可能性はありますか?
大谷翔平選手になりすます水原被告:
ええ、あるかもしれません。

検察側は今回、水原被告に対し4年9カ月の禁錮刑と、賠償金として26億円余りの支払いなどを求める文書を裁判所に提出した。

一方の水原被告側は、情状酌量を求めている。

裁判所に提出された水原被告本人の謝罪文には、「ギャンブルの借金は膨れ上がり、それを返済する方法は、翔平のお金を使う以外にないように思えました。彼からの信頼を裏切ってしまったことを心から謝罪したいと思います」とつづられていた。

量刑の言い渡しは、現地時間2月6日に予定されている。
(「イット!」1月24日放送より)