5月2日からの5連休に、長野県内の山岳で遭難が相次いだ。6日までに2人が死亡、2人が重傷を負った。死亡した2人はいずれも北アルプスの白馬大雪渓で、悪天候で身動きが取れなくなったという。

白馬大雪渓で遭難 58歳男性が死亡

5月2日、北アルプスの白馬岳で登山者が倒れている男性を発見し、男性はヘリで救助されましたが、病院で死亡が確認された。

2日午前7時40分過ぎ、白馬大雪渓付近(標高約1850メートル)を登山中の男性から「30代から40代の男性が倒れているのを発見した」と消防に通報があった。

長野県の消防防災ヘリが午後3時過ぎに男性を救助して、松本市内の病院に搬送したが、その後、死亡が確認された。

死亡したのは大阪市生野区の58歳の男性会社員。男性は単独で登山をしていたとみられ、発見時、現場は天候が悪く、強い風が吹いていたという。

白馬大雪渓 66歳の男性が行動不能

白馬大雪渓ではこのほか、2日午後8時前に愛知県名古屋市の66歳の男性が行動不能となり、警察に救助を要請した。

資料 北アルプス 白馬大雪渓
資料 北アルプス 白馬大雪渓
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3日朝に長野県警のヘリが男性を発見したが、救助隊員が現場に降りて確認したところ、男性にけがはなく、自力で下山出来るということだったため、救助・搬送の必要は無いと判断したという。

戸隠山 57歳女性が道に迷う

2日には、戸隠山の百間長屋付近(標高約1700メートル)で単独で登山をしていた長野市の会社員の57歳女性がルートを誤り、道に迷って行動不能になった。

資料 戸隠連峰
資料 戸隠連峰

2日正午ごろ、本人から救助要請があり、警察と消防が出動し、午後5時ごろ、女性を救助した。けがはないという。

奥穂高岳で約100m滑落

5月3日、福島市の71歳の男性が北アルプスの奥穂高岳から下山中に滑落し、自ら救助を要請して病院に搬送された。

遭難したのは、福島市の71歳の男性会社員。

約100メートル滑落 救助される男性
約100メートル滑落 救助される男性

警察によると、男性は3日に涸沢から奥穂高岳方面に向かい、午前9時半ごろ下山中に約100メートル滑落して負傷した。

資料 北アルプス奥穂高岳
資料 北アルプス奥穂高岳

男性は自ら警察に電話して救助を要請し、午後0時半ごろ、長野県警のヘリが救助して松本市内の病院に搬送した。頸椎の棘突起骨折などで重傷だという。

白馬大雪渓 50歳男性が死亡

5月4日、北アルプス白馬岳で登山をしていた50代の男性が体調不良により行動不能となった。5日に長野県警のヘリコプターが救助したが、死亡が確認された。

警察によると、4日午後3時前、男性の同行者から「1人が寒さで身動きがとれない」と110番通報があった。

3人パーティで白馬岳を登山中、大雪渓付近(標高約2700メートル)で体調不良を訴え、行動不能になったという。

当時、現場付近は吹雪で悪天候だったという。

資料 北アルプス 白馬大雪渓
資料 北アルプス 白馬大雪渓

同行していた2人は近くの山小屋に避難したが、体調不良の男性はその場に留まった。

5日午前6時40分ごろ、県警ヘリが男性を救助したが、死亡が確認された。

身元は埼玉県新座市の会社員の50歳男性とわかった。

白馬乗鞍岳 47歳男性が低体温症

5月5日、北アルプス白馬乗鞍岳で遭難した男性が長野県警のヘリコプターで救助され、病院に搬送された。

5日正午前、通りがかりの登山者から「手と口から出血していて、会話があいまいな状態の男性がいる」と110番通報があった。

資料 北アルプス白馬乗鞍岳
資料 北アルプス白馬乗鞍岳

警察によると、千葉県習志野市の会社員の47歳男性が北アルプス白馬乗鞍岳付近の登山道(標高約2400メートル)で倒れていたという。

県警ヘリが出動して、5日午後2時前、男性を救助し、松本市内の病院に搬送した。男性は低体温症で治療を受けたという。

霧ヶ峰で転倒 59歳男性が重傷

長野県諏訪市の霧ヶ峰で5日、神奈川の59歳の男性登山者が転倒し、足の骨を折る重傷を負った。

重傷を負ったのは神奈川県相模原市の59歳の男性会社員。

警察によると、男性は3人パーティーで日帰りの予定で霧ヶ峰に入山し、車山に登ったあと、午前10時ごろ、登山道で転倒して歩けなくなった。

同行者が消防に通報し、救急隊員が約1時間余り後に男性を救助して諏訪市内の病院に搬送した。左の足首を骨折する重傷という。

霧ヶ峰周辺の登山道は、急な上り下りは少ないものの、特に雪解け後は浮いた石なども多いため、歩行には注意が必要だ。

北アルプス霞沢岳で道に迷う

5月5日、北アルプス霞沢岳に単独で登山をしていた68歳男性が道に迷い行動不能となり、ヘリコプターで救助された。男性にけがはないという。

遭難したのは京都市の無職の68歳男性。

5日午後3時半ごろ、京都府警から長野県警に「男性が登山中に道に迷った」旨の連絡があった。

資料 北アルプス霞沢岳
資料 北アルプス霞沢岳

男性は5月2日に1人で上高地から入山し、5日、北アルプス霞沢岳から下山中、道に迷って行動不能になったという。

長野県警のヘリコプターが出動し、午後5時半ごろ、男性を救助した。男性は疲労しているものの、けがはないという。

夫婦で滑落 ヘリで救助

5月6日、北アルプスの赤岳付近(標高約2300メートル)で、東京都の夫婦が滑落して身動きがとれなくなり、翌7日朝、長野県警のヘリコプターに救助された。

遭難したのは、東京都文京区に住む49歳の男性と50歳の女性の夫婦。

警察によると、2人で硫黄尾根の赤岳付近を通過中、ザイルを結んだ状態で滑落して身動きがとれなくなった。

救助の要請を受けた警備会社が6日午後9時ごろ、「男女2人が約100メートル滑落して遭難した」と110番通報した。

7日朝、長野県警のヘリが出動し、午前7時ごろ2人を救助、松本市内の病院に搬送した。いずれも軽傷とみられる。

2人は6泊7日の予定で大町市の七倉登山口から入山し、硫黄尾根を通る熟達者向けのルートで赤岳、西鎌尾根、水晶岳を経由して七倉登山口に戻る予定だった。

山岳遭難9件 死者2人

5月2日から5月6日の間に長野県警から発表された山岳遭難は8件で死者は2人。重傷を負った人は2人だった。

死亡した2人はいずれも白馬大雪渓で、悪天候で身動きが取れなくなったという。

遭難の理由は、道迷いが2人、低体温症が1人などとなっている。

年齢別では遭難した10人のうち、50代が最も多く5人と全体の半数で、以下60代と40代が2人ずつ、70代が1人となっている。

大型連休の時期の山は、残雪が多く、朝晩の気温差が大きいという特徴があります。日中は夏のような高温になる日もあれば、天候が急変すれば高い山は冬山に逆戻りすることもあるため、用具や服装選びには細心の注意が必要です。また、雪が溶けて夏道が現れても、まだ登山者に良く踏まれていない不安定な浮石が多く、足運びにも十分な注意が必要です。

長野放送
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