昨シーズン、プレーオフまで進むもJ1昇格を逃したV・ファーレン長崎。正念場となる今シーズンは過去最大級となる補強で、J1昇格の「請負人」として山口蛍選手を迎え入れた。山口選手は記者発表で長崎への想い、J1昇格への意気込みなどを熱く語った。
「J2優勝を経験してみたい」
元日本代表の山口蛍選手は、昨シーズンまで所属していた神戸ではキャプテンを務め、J1連覇に貢献した。

――J1王者からの電撃加入。きっかけについて
山口蛍選手:
長崎に関わる全ての人の熱い思いっていうものに、僕は心打たれたので加入を決めました。去年J1昇格できなかった悔しさを含め、今年絶対にJ1に昇格しなきゃいけないという熱意は、実際このスタジアムに来て(関係者と)お話をさせてもらったときにすごく感じて。僕の中ではもうそのときその時点で、ほとんど長崎に来るっていうのは決めてました。

山口蛍選手:
やりがいをすごく求めていて、もちろん神戸に残って3連覇を目指すっていうのもやりがいではあると思うんですけど、自分自身J2を戦ったことがありますし、その中でJ2優勝がすごく難しいっていうこともわかっていて。実際、僕もJ2優勝したことはないので、やっぱりそれも味わってみたいなと思いましたし、J2優勝して昇格してJ1で 長崎の勢いっていうのを見せられたらすごいことになるんじゃないかなっていう。本当にその大きな夢を持って、この挑戦を決意したっていう感じです。
サッカー以上に大きな意味を持つ
V長崎は、2024年10月に開業した長崎スタジアムシティの「ピーススタジアム」が本拠地だ。

――新たな本拠地。ピーススタジアムの印象について
山口蛍選手:
このスタジアムができるっていう話が出たときから気にはなっていて、いざ完成して試合をしているところを見に行って、本当にすごくいいスタジアムだなと思ったし、このスタジアムは常にホームの試合で満員になれば、選手たちにすごく後押しになるだろうなとは思いました。このスタジアムでまたJ1に昇格できれば本当に長崎の街もすごく盛り上がると思うので、そういった意味でサッカー以上にすごく大きな意味を持っているスタジアムだなと思います。

――クラブや長崎の街の印象について
山口蛍選手:
チームは若くて、スタッフも監督も含めてすごく明るい人たちが多くて、練習も活気があって、すごくいい雰囲気でやれていると思います。 街はすごくコンパクトで、僕は田舎が好きなので、すごく住みやすそうだなと思ってます。

――ファン、サポーターに注目してもらいたいプレーは
山口蛍選手:
僕はあまり特徴がないので「ここを見てほしい」っていうのはないですけど、しっかり90分間攻守に走りきれる自信はあるので、そこを見てもらえたらいいかな。
――共にプレーするのが楽しみな選手について
山口蛍選手:
特定の個人の名前は出しづらいですけど、自分は長崎にいる素晴らしい選手たち、攻撃の選手たちとプレーするのがすごく楽しみなので、そこは今からすごくワクワクしています。
目標は「J1昇格」それ以外ない
昨シーズン、プレーオフで敗れ昇格を逃したV長崎。今シーズンはJ1昇格が絶対条件だ。神戸でキャプテンをとしてJ1連覇を成し遂げた山口選手だからこそ、V長崎に伝えたい想いは熱いものがある。

――クラブの目標はJ1昇格。そのためにチームに伝えたいこと
山口蛍選手:
神戸で2連覇したときに感じたものは「メンタルの強さ」。一人一人が「絶対に優勝するんだ」という気持ちは、去年までの2年間はすごいものがあったし、優勝にかけてる思いも、本当に去年までの2年間は目に見えてる部分も見えてない部分でもあった。本当にサッカーに打ち込んだ結果が2連覇に繋がったと思うので、そこが大事かなと。特に本当に(チームが)若いから大事。長崎はすごくポテンシャルのあるチームだと思う反面、昨シーズンのプレーオフでの戦いもそうですけど、経験が少ないところもまたあると思うので、自分が入ることによって、そういったところの経験値は、長崎の選手は若い選手が多いので、自分がみんなにどんどん伝えていければ。
――今季の目標について
山口蛍選手:
目標はひとつ。「J1昇格」それ以外はありません。とにかく数多くの試合に出て、ゴールやアシストに絡めたらいいかなと思います。数字の目標はあまり決めたくない。

下平隆宏監督は、山口選手のトレーニングを見て「積んでいるエンジンが違う。止まるところ、動き出すところ、パワーのところが普通の選手よりはかなり良いエンジンを積んでいる印象。チームに与える影響力は大きいと思う」と期待を寄せる。

V長崎の今回の新加入は、山口選手をはじめ10人と過去最大級の補強となる。開幕戦はホームで2025年2月15日にロアッソ熊本との対戦。1月中旬からはトレーニングマッチや沖縄キャンプが予定されている。
(テレビ長崎)