長野県飯山市の駅前ホテル建設計画をめぐり、事業者側が市に対して約8200万円の損害賠償を求めて提訴した。これを受けて、江沢岸生市長は12月3日の会見で、12月14日に住民説明会を開き、これまでの経過を市民に説明すると発表した。市長と議会の対立により民事調停案が否決されたことで計画が停滞し、事業者側が「これ以上は進展が見込めない」として調停を取り下げ、提訴に踏み切った形だ。

市民「どうなっているの?」

江沢市長は会見で、「状況がとにかくわからない『どうなっているの?』ということが一番市民の声として多い、それに対してきちんと応えていきたい」と述べた。市民の不安や疑問に答えるため、住民説明会を開催する決断をしたものとみられる。 

市長「訴状を見て対応を決める」 

提訴については、江沢市長は「訴状が届いていないので、届いたら内容をよく確認したうえで今後の対応を検討したい」と慎重な姿勢を示した。市の対応が今後の展開を左右する可能性があり、市民の注目が集まっている。 

ホテル建設予定地(長野県飯山市)
ホテル建設予定地(長野県飯山市)
この記事の画像(3枚)

3億6000万円の補助金合意も、議会との対立で頓挫 飯山駅前のホテルは、市の公募に応じた地元経営者らでつくる「飯山ホテル」が建設・運営を予定していた。

民事調停で、市が3億6000万円の補助金を出すことなどで一度は合意していたが、市長と議会の対立により調停案は否決された。

飯山市議会(2024年9月)
飯山市議会(2024年9月)

事業者側は「市の対応が停滞を招いた」として、これまでにかかった設計費など約8200万円の損害賠償を求めている。

(長野放送)

長野放送
長野放送

長野の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。