特に気を付けたいのは“うつ状態”だ。物事への興味を失い、散歩やボール遊びに誘っても乗ってこない。食欲がなくなって体重が落ちる、体調を崩してしまうこともあるという。
「うつ状態になると、ワンちゃんの目の輝きがなくなる、という話を聞きます。飼い主なら、表情や気配で『なにかおかしいな』と思うのではないでしょうか」

・神経質で環境の変化が苦手
・人間とのコミュニケーションが好き
・年齢が若い(1歳未満)
・小型犬(抱っこされる機会が多い)
平松さんの経験則では、こうした犬は不安を抱えやすいそう。物音にびっくりしやすい、食器が変わると餌を食べなくなる、といった傾向も、注意が必要とのことだ。
また、加齢で身体的な機能が衰えた場合も、不安を抱えやすくなることがあるという。
「一緒=安心」と考えてしまう
愛犬たちはなぜ、分離不安を抱えるのか。平松さんは「気持ちの暴走が起きている」と指摘する。飼い主が新しい人に変わった。家庭の誰かがいなくなった。新しいペットがやってきた。以前より留守番をすることが増えた。犬は賢いので、こうした環境の変化を感じとる。

周りに誰かがいて、愛されることが当たり前だったのに、それがなくなるかもしれないストレスを感じ、「飼い主と一緒にいること=安心」と考えるようになる。その結果、飼い主から離れることが不安につながってしまうのだ。
新しいペットのお迎えは注意
特に気を付けてほしいのは「新しいペットを迎えること」だ。飼い主は「さびしそうだから」とついやりがちな行為だが、先住犬の孤独感やストレスを強めることも多いという。

「居場所や飼い主を“後から来た子”に取られた、と思うことがあります。人間に例えると、知らない人が急にやってきて、お気に入りの部屋やコップを使われているようなものです」
もし新しい動物を迎えるなら、先住犬がなるべく若いうちにするのがポイント。犬に限ったことではないが、小さな頃から一緒に過ごしていれば、お互いを受け入れやすいとのことだ。