夫のあれが嫌、妻のこれが嫌。
夫婦関係において、互いのほんのささいなことが原因で離婚までいってしまうこともある。
離婚カウンセラーの岡野あつこさんは、「一見ささいな感覚・価値観の違い」がもっとも厄介で根深い問題であり、切実な問題で離婚の原因になるという。
岡野さん自身が焼き肉店で経験した価値観のズレと、ちょっとしたことで夫婦関係が改善したというエピソードを著書『なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか? 夫婦関係を改善する「伝え方」教室』(講談社+α新書)から一部抜粋・再編集して紹介する。
「焼き肉の作法」には要注意
「ささいなこと」で行き違いが起きやすい状況の一つに、外での食事があります。食の作法やマナーの違いにイラッとしがちなのです。
私は焼肉店でケンカをしてしまうことがよくあります。
たとえば2人で焼肉に行った場合、私は一度に焼くのは2枚までにしたいんです。そうすれば、肉を食べているうちに、また新しい肉が焼けている、となるわけです。
この記事の画像(4枚)なのに、一度に4枚も5枚も焼かれると、食べるのが間に合わなくて、焼きすぎになる肉も出てくるので、イラッとしてしまう。元夫がまさにそうでした。
なぜそんな焼き方をするのか、元夫に聞いてみたところ、「うちは兄弟が多かったから、こういう食べ方をしないと、自分の肉がなくなってしまう」と言っていました。
それはそれでよくわかります。でも、いまは2人で焼肉に来てるのだから、何も競って食べなくても……と思うわけです。
注文にも表れる価値観の違い
焼肉店でなくても、そもそも飲食店で頼みすぎる人は嫌なんです。
やたら多く注文するくせに自分は食べずに周りに勧めてばかりの人っていますよね?人を気遣って頼んだつもりでしょうが、おしつけがましいというか、自分が頼んだものは自分で食べてほしい。
それでその人がお金を払うならまだわかるんです。お会計は私なのに、自分で勝手にどんどん注文する人もいる。頼まれてもないのに「みんなの分を」などと言われると、正直ムカムカしてしまう。
もちろん、別の考えの人もいらっしゃると思います。せっかくご馳走するんだから、食べきれないくらいたくさん頼んであげるほうがいい、という考え方の人もいるわけです。
でも、人のことに気を遣わなくていいから、自分が食べたいものを食べればいいと私は思います。要するにそういう人とは価値観が合わないのです。