11月10日(日)に、J1昇格につながる重要な一戦を控えているサッカーJ2・モンテディオ山形。6日は、大一番に向けた山形一丸の士気を高めるため、今シーズン、山形で最も点を取っている男、みちのくが生んだゴールハンター・高橋潤哉選手がさくらんぼテレビのスタジオに生出演した。
チーム最多の11得点を記録
フォワードの高橋選手は、秋田県秋田市の出身で、現在27歳。
高校から山形に来て、モンテディオ山形のユースチームに入団。駒澤大学を卒業した2020年に山形に加入した。ユース出身・大学経由でプロ契約した第1号の選手。
2021年から2シーズンJ3のチームで武者修行し、昨シーズン山形に復帰。今シーズンは、開幕から34試合に出場し、チーム最多の11得点を記録している。高橋選手の活躍もあり、山形は前節ようやくプレーオフ進出圏内に入った。
プレーオフ進出がかかる千葉戦について、高橋選手は「負けられない試合を乗り越えてきたので、いつも通りの準備をしている。勝ち続けなければ先につながらないので、平常心でいる」と語る。
――まだ何も決まったわけではないが、5位浮上・PO圏内入りを選手たちはどう感じている?
高橋潤哉選手:
おっしゃった通り、何も決まっていない。勝ち続ければ自分たちで昇格を勝ち取れる立場にあると思うので、とにかくいつも通りの、“目の前の試合に勝つこと”にフォーカスしていきたい。(Q.間に合ったなという気持ちは?)それも自分たちで招いた状況ですし、ただ取り返せるチャンスはあったので、そこはポジティブにチャレンジし続けていった。
“1つのチャンスをものにする”
今シーズンの山形の順位の変遷を見ていくと、開幕連勝は良かったが、7月あたりまでは波に乗れない状況が続き、15位前後をさまよっていた。正直、「今シーズンはダメかなぁ」と思った人もいたかもしれない。しかし、8月の中断明けから山形の快進撃が始まった。
中断明けから前節までの13試合は11勝1分1敗。現在クラブ最多記録の8連勝中。まさに見事なV字回復だ。
高橋選手は「苦しい時期はもちろんありました。チームで積み上げてきたものがある中で、途中から入った選手も含めて、今は歯車がかみ合っている。過去ではなく前に向かって頑張りたい」と振り返る。
この快進撃の立役者の1人は間違いなく高橋選手だ。今シーズンここまでチーム最多の11ゴール。
今シーズンの目標である2桁得点については「1つの目標だったので、これからに対しても自信になりますし、ただまだ試合はありますし、ゴールするチャンスはあるので、勝つためのゴールを積み上げていけるように頑張りたい」と意気込みを語った。
特筆すべきは、11ゴール中9ゴールが「途中出場でのゴール」であり、8連勝の中でも、3ゴールを途中出場であげており、勝負強さが光る。
――短い時間で仕事をするのは難しいと思うが、渡邉監督からは出場する時にどんな声をかけられている?
高橋潤哉選手:
細かいことはその状況によって変わるが、大枠としてはトップ下の役割や、一番求められているのはゴールだと思います。
山形には夏場の補強で、同じフォワードのディサロ選手、そして、実績十分の土居選手が加入して、2人とも結果を残している。
――高橋選手は出場時間が限られている状況。悔しい思いもあると思うのですが、そこをどう前向きに切り替えて試合に臨んでいるのか?
高橋潤哉選手:
加入した選手からの刺激・学びがありますし、自分の中では、スタメンだろうと途中だろうと、与えられたチャンスはあるので、そこに対して、“1つのチャンスをものにする”ということにフォーカスしてやるだけだと思う。
山形のプレーオフ進出へ期待高まる
さらにプレーオフ進出がかかる千葉戦について話を聞いた。
現在の順位表を見てみると、清水の昇格と、4位岡山のプレーオフ進出が決まっていて、2位横浜と3位長崎が自動昇格を争っている。
プレーオフに進出する残り2枠を、5位の山形、6位の千葉、7位の仙台が争っている状況だ。
そして、山形がプレーオフに進出する条件は、千葉との直接対決となる最終節、引き分け以上で進出決定。もし山形が負けた場合でも、仙台が大分に引き分け以下で山形のプレーオフ進出が決まる。
この、プレーオフ進出がかかる千葉戦について「自分たちが勝てばチャンスをつかみ取れる。ほかのチームの結果よりも自分たちが勝つことだけを考えている」と高橋選手は話す。
サポーターから期待の声
チームは6日、千葉戦に向けた練習を公開した。6日はかなり冷え込んだが、約130人のサポーターが詰めかけた。
サポーターは「引き分けでもプレーオフに行けるが、4位をねらえる以上、プレーオフにつながるような勝利を期待したい」「(Q.次の試合に期待することは?)高江麗央選手。フリーキック」「千葉も必死でくると思うので、山形はそれに立ち向かって勝つだけだと思う。ことし一番厳しい戦いだと思うが、今のモンテの選手たちであれば必ず勝ってくれると思う」「高橋選手はチームのトップスコアラーなので、最終戦も得点を期待している。ぜひ頑張ってほしい」と話し、期待を込めた。
モンテディオ山形の他の選手にも意気込みを聞いてきた。
FW#90・ディサロ燦シルヴァーノ選手:
目の前の試合に集中するだけ。ゴールを決めてチームの勝利に貢献したい。次で終わらないので、サポーターもまだ体力を残しておいてください。
MF#88・土居聖真選手:
自分たちのプレーやみんなの団結力を変わらずぶつけるだけ。
MF#7・高江麗央選手:
チームとしても、個人としても、やるべきことをしっかり100%やって、いい結果につなげたい。
DF#6・山田拓巳選手:
僕だけでなくチーム全体で我慢しなければいけない時間もあると思うが、そういったところも含めて、どんなに泥臭いプレーでも、チームのためになるなら全力で体を張って、少しでも勝利に貢献できるように頑張っていきたい。
高橋選手は「期待の声はすごく力になる。特に、試合中もそうだが、アップで入って行った時にサポーターの声を聞いて、そこで自分の気持ちも1段・2段高まりますし、本当にすごく頼もしい方たちだなと思います」と感謝の意を表した。
「目の前の試合に勝つ」
山形は3シーズン連続、最終節でプレーオフ進出が決まるという状況。過去2シーズンはホームでしっかりと勝ち切ることができた。今シーズンもと期待が高まっている。
――最後に、千葉戦に向けて意気込みをお願いします。
高橋潤哉選手:
目の前の試合に勝つ。そこに対しての準備を選手はいつも通りするだけだと思います。サポーターのみなさんには、スタジアムで一体になって一緒に戦ってほしいなと思います。
昇格につながっていく大一番・千葉戦は10日(日)、ホームで午後2時キックオフ。そしてスタジアムでは、先着12000人に「ニットシャッポ」がプレゼントされる。寒くなっているので、これをかぶって選手たちを後押ししよう。
(さくらんぼテレビ)