秋田市の秋田高校には放課後にクイズの問題を作成したり、早押しクイズを出し合ったりしている「クイズ研究同好会」がある。真剣に、そして楽しく活動する生徒たちの様子を追った。
同好会では独自のクイズ作成も
真剣な表情で机に向かい、クイズに回答しているのは「秋田高校クイズ研究同好会」のメンバーだ。
この記事の画像(10枚)同好会は2018年に誕生し、2024年で活動6年目を迎えた。現在、3年生は引退し、1年生と2年生合わせて12人で活動している。
同好会は、ほかの部活動と掛け持ちで入会している人がほとんどで、クイズ初心者でも楽しめるような活動をしている。
1年生の北嶋笑子さんは、「小さい頃からクイズが好きで、自分でもクイズを回答するのが早い人のようになりたいという気持ちで始めた」と入会した理由を話す。
2年生の加藤泰千さんにクイズを始めた理由を聞くと、「小学校2年生の時に祖父母の家でクイズ番組を見たのがきっかけ。自分の知識を披露する場面が欲しいと思っていた」と語った。
早押しクイズのほかにも、学校で学んだことを生かして独自に問題を作成している。教科書や資料集などを参考に、みんなで確認しながらクイズを作っていた。
同好会の顧問を務める佐々木繁樹先生もクイズ愛好者の1人で、設立時から顧問を務めている。
佐々木先生は「『クイズ同好会をつくりたいので顧問をしてほしい』と言われ、快諾した。秋田県でクイズをやる人は少ないので、高校生がクイズをやるというのはうれしかった」と設立当時を振り返る。
“勝つ楽しさ”も広めたい
この日は「日本の都道府県で人口密度が最も高いのは東京都ですが、最も低いのはどこでしょう?」というクイズが出題され、問題文を読み上げる途中で答えを素早く予想し、回答していた。
このように、一番高いものに対して低いものを聞かれることを問題文から予想したり、読み上げられる抑揚のつけ方などを聞き分けたりして、神経を集中させる。
加藤泰千さんは「ボタンを押した瞬間は頭の整理がついていない。それでもぱっと答えが出てくる、そのタイミングが一番気持ちいい。これを楽しむためにクイズをやってほしい」とクイズの醍醐味を語る。
クイズの早押し機は高額のため、同好会OBの補助で購入することができた。
OBの思いを受け継ぎ、メンバーはクイズの知識を深めていく。
同好会の部長を務める大塚玲依さんは「自分の知識や知っていることなど、頭を使っていろいろな勝負ができることを知って、知識が増える楽しさだけではなく、クイズで勝つ楽しさをさらに広められればいいと思う。クイズに興味を持って同好会に入ってくれる人が増えたらいいなと思っている」と話す。
大切なのは“楽しむこと”
高校生のクイズ大会に挑戦することもあるが、全国の壁は高く、勝ち上がるのは簡単ではない。
2024年、大会に挑戦した加藤泰千さんは「予選の段階で問題がすごく難しくて、全く太刀打ちできなかった。この悔しさをバネに、来年こそはいい成績を残したい」とリベンジを誓う。
北嶋笑子さんも「まずは先輩たちのようにベタな問題を予想して、とにかく早く押すことを鍛えていきたい。そして大会に出場して、できれば実績を残したい」と意気込む。
全国大会への出場を目指して早押しの練習を重ねているが、同好会が大切にしているのは“気軽にクイズを楽しむこと”だ。
部長の大塚玲依さんは「クイズはやはり勝ち負けの部分はあるが、自分の知識が広がるとか、自分の知らなかった世界が見られるところなど、知識を楽しんでほしい。メンバーだけでなく、いろいろな人に楽しんでもらいたい」と話す。
秋田高校クイズ研究同好会は、これからも知識を、そして思いをつないでいく。
(秋田テレビ)