限られたスペースを利用して収納を増やせる便利なアイテム「突っ張り棒」。
しかしすぐに落ちてしまったり、さらには壁紙に傷をつけてしまったり…、なんて経験をしたことのある人も多いのではないだろうか。
ホームセンターなどで手軽に購入できるのも魅力の突っ張り棒だが、実は多くの人がその使い方を間違っているそう。

“突っ張り棒業界”の国内トップシェアメーカーである、平安伸銅工業株式会社の代表取締役社長・竹内香予子さんに「突っ張り棒の正しい使い方」を聞いた。
「バネ式」と「ジャッキ式」がある
「一番びっくりされるのが、バネ式の突っ張り棒の使い方です。設置したい場所に本体を入れて、徐々に伸ばして長さを調整する方が多いのですが、本当は、取り付けたい場所の幅より数cm長く伸ばしてから押し込むというのが正しいんです」
そもそも、突っ張り棒には「バネ式」「ジャッキ式」の2種類があるという。

バネ式はその名の通り、パイプに内蔵されたバネの反発力で突っ張り、固定するというもの。比較的軽量で、手軽に取り付けられるのが特徴だ。
一方のジャッキ式は、二重構造になっているパイプの長さを調整したのち、ネジで2つのパイプを貫通させてから突っ張り、固定するというものだ。バネ式よりも強度が高く、より重いものをつるしたりするのに適しているそうだ。
バネを生かすには「数cm長く」
どちらも間違えられがちだというのが、設置方法。正しい方法は以下の通りだ。
【バネ式】
(1)パイプを回し、使いたい長さに調節する
(2)使いたい長さに達したら、そこからさらに数cm分長く伸ばす
(3)内側のバネを押し縮めるようにして、取り付けたい場所にはめ込んで突っ張る

【ジャッキ式】
(1)突っ張る面(壁など)までパイプを引き伸ばす
(2)ネジを根元までしっかり締めて長さを固定する
(3)パイプの端にあるグリップを回して突っ張る

バネ式でよく見られる失敗は、バネの力を生かし切れないまま設置してしまうこと。取り付けたい間隔よりも短い状態から徐々に伸ばしていくと、反発するバネの力をフルに使うことができず、落下などの原因になるという。
また、ジャッキ式でよく見られる失敗が、長さを固定するネジを差し込み忘れたり、しっかり貫通させなかったりすること。こちらも落下などの原因になってしまうという。