台風9号は発達しながら北上し、1日の夜遅くから2日の朝にかけて、関東にかなり接近する可能性がある。気象庁は大雨による土砂災害や河川の増水に警戒を呼びかけた。
関東では2日夕方までの24時間に100ミリの雨予想
都心から約300キロ離れた東京・八丈島では31日の午後5時、分厚い雲が空を覆い、強い風が木を揺らしていた。
湿気を含んだ重たい空気が流れ、海では何度も高い波が岩に打ち付けているのが分かる。

台風9号は今後北上するスピードを上げ、2日に関東に接近する恐れがある。
31日朝、気象庁が警戒を呼びかけた。

気象庁担当者:
8月1日から2日にかけて、暴風域を伴って伊豆諸島にかなり接近、2日には東日本に接近する恐れがあります。
関東地方では2日には暴風雨に警戒、土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水に注意・警戒が必要です。

31日午後4時に出た最新の進路図を見ると、1日から伊豆諸島に接近する見込みで、その後発達しながら北上し、1日の夜遅くから2日の朝にかけて、関東にかなり接近する可能性がある。

千葉県を中心に強い風や大雨などの荒れた天気になる恐れがあり、東京や神奈川でも強い風などに警戒が必要だ。

また、関東では2日夕方までの24時間に、100ミリの雨が予想されている。
「検見川神社例大祭」開催可否はホームページやSNSで告知
8月最初の週末を襲う見込みの台風9号。
影響は早くも広がっている。

1日から千葉市内で行われる「検見川神社例大祭」は31日、大掃除を終え、準備万端となっていたが、台風の進路や強さによっては、これらを片付ける可能性が出てくるという。
検見川神社・宍倉直武さん:
看板や提灯など被害に遭いそうなものは、全部撤去しようかと思う。

江戸時代から続く祭りで、例年屋台が並び、多くの人が訪れる一大イベントだが、子供が神輿を担ぎ町内を練り歩く2日は、強風や大雨の可能性がある。

検見川神社・宍倉直武さん:
(Q.中止がどうかの判断はいつ?)天気次第ですかね。(Q.判断の明確な時間は?)特にないですね。皆さまに喜んでいただくことが一番なので、それが中止になると、ちょっと残念だなと思います。
金魚すくいが楽しみだという親子は…。
子供:
(Q.祭りがなくなったら?)いやだ。
父親:
1年に一回のお祭りなので。

実行委員会は祭りの開催について、ホームページやSNSで告知するとしている。

夜空を彩る“夏の風物詩”にも、台風の影響が見られた。

2万発の花火を打ち上げる、国内最大級の花火大会「幕張ビーチ花火フェスタ」は、2日に開催を予定しているが、実行委員会は当日の朝9時までに開催するかどうか判断し、ホームページなどで知らせるとしている。
千葉県の名産「梨」農家も苦慮「落ちたら泣きたくなる」
台風の心配は、“夏の味覚”千葉県の名産「梨」にも…。

石渡花菜キャスター:
瑞々しくておいしいです。

船橋市の梨農家「青山園」では、梨が落ちないよう風よけの網を張るなど、対策に追われていた。

青山園・青山俊平さん:
多目的防災網。風よけ、鳥よけになる。台風などの風にも耐えられるような網になっているが、大きな台風や、年数がたっていると破けてしまって、その心配が大変。

梨は風に弱く、落ちたら商品にならないという。

青山園・青山俊平さん:
いま1ミリずつ大きくなっている。1週間もしたらかなり大きくなる。それが落ちたら泣きたくなる。毎日のように天気予報を見て、「それた」「ずれた」「やばいな」と、テレビ見ながら検討している。

関東では、1日から雨が降り始める見込みで、台風の進路に、様々な場所で警戒が高まっている。
(「イット!」 7月31日放送より)