そんなとき、「(無理なのはわかった)でも、お得意先は強く要望している。じゃあ、どうするんだ?今後の受注に影響が出てもいいのか?」と言い返すとカドが立ちます。

そこで「(追加生産が無理なのはわかった)そのうえで、お得意先は強く要望をしているわけですし、どのような対応案があるでしょうか?」と語りかけると、相手の受け取り方も違ってくるのです。

「でも」代わりに使う「そのうえで」

逆接の接続詞「でも」や「しかし」ではなく、「そのうえで」や「さらに」で言葉をつなぐことを説明しましたが、かく言う私も学生時代は「でも」や「しかし」「だけど」が口ぐせでした。

それが変わったのは、トヨタグループで働き出してからです。

20代後半になって、久しぶりに学生時代の友人たちと再会すると、「人間が丸くなった」と、よく驚かれました。

最初のひと言が「でも」や「だけど」から、「そうなんだね」に変わるだけで、人間関係がギクシャクするか円滑に回り出すか、大きく変化します。

もう一つ、「受け止める」の効果を実感したエピソードをご紹介します。