最優先の仕事はすぐに取りかかることができる。しかし、重要だけど緊急性が低いタスクほど、頭ではわかっていても行動を起こしにくい。

そんなタスクの緊急性を「自分の中で高める」にはどうすればいいのか。

約10年間トヨタグループで優秀な人の仕事のやり方を観察し、学んできたという森琢也さん。

著書『トヨタで学んだハイブリッド仕事術』(青春出版社)で取り上げられている仕事術は、どんな仕事でも通用する不変のスキル。初代プリウスでも使われた秘策を一部抜粋を一部抜粋・再編集して紹介する。

仕事の緊急性を自分で高める工夫

みなさん、ついつい先送りしてしまう仕事ってありませんか?

うっかりすると、やることリストに長期滞留案件がどんどん積み重なっていきます。これらの多くが、「重要ではあるが優先度が低い仕事」です。

例えば「営業資料に掲載している古い参考データの差し替え」などもそうでしょう。

緊急性の低いタスクは後回ししがち(画像:イメージ)
緊急性の低いタスクは後回ししがち(画像:イメージ)
この記事の画像(5枚)

最新データに修正しなくてはなりませんが、つい後回しになってしまいがちです。

みなさんも多忙な日々を過ごす中で、「重要性は高いが緊急性が低いものは後回し」にしてはいませんか。

そこをどう克服するか。それには、その仕事の緊急性を「自分の中で高める」ための工夫が求められます。

3つのステップで説明します。

“損失の悲しみ”に目を向けてみる

【STEP1:損失回避バイアスを働かせる】
損失回避バイアスとは、2002年のノーベル経済学賞受賞者で行動経済学の先駆者であるダニエル・カーネマンらによって提唱されたもので、多くの人にとって「損失の悲しみ」は「利得の喜び」の2倍以上になると言われます。