今年で創業50年を迎えた人気ラーメン店では、長く続けていた平日ランチタイムのライスの無料サービスをやめた。その理由はコメの価格の高騰。店では代わりに麺の大盛りを無料にして対応している。
長く続けてきた「ライス無料」が…
ニンニク、タマネギ、昆布などを3年以上熟成させた「寝かせダレ」に、豚骨や鶏ガラなどを合わせたスープ。そこに入れるのは自家製の細いちぢれ麺。
諏訪地域を中心に親しまれている「ハルピンラーメン」。諏訪市に本店があり、今年で創業50年を迎えた。
今、長く続けてきた「あるサービス」を休止している。
それは「ライスの無料サービス」。
ハルピンフーズの山崎仁雷社長は「お米だけはずっとコロナ前から良い子で値段が上がってなかったのが、ここでどんと上がってきてしまったので」と、その理由を話す。
これまで、平日のランチタイムは、ラーメン1杯につき、小ライス1杯を無料で提供してきたが、系列の一部の店舗を除き9月からやめた。
社長「とにかく必死…」
理由は、コメの価格高騰。
JAからコメの生産者に仮払いされる「概算金」。小売価格にも影響するとされていて、JA全農長野によると、「コシヒカリA」の新米は、3年連続で上がっていて、2024年は60キロ当たり1万6290円と、2023年より3840円上がり、引き上げ幅は過去最高となった。
この記事の画像(4枚)近年の生産コスト上昇に加え、「コメ不足」による新米の需要の高まりもあり、価格は上がっている。
この店でも、コメの仕入れ値が2023年の約2倍になっているという。
山崎社長は「(他の食材を含め)原価をコントロールをとにかく必死でやらないと追いつかないような状態」と話す。
別のサービス「麺の大盛り無料」
価格高騰を受け、ライスのサービスはやめましたが、代わりに、別のサービスを始めた。
それは、麺の大盛り無料。
山崎社長は「ご飯をやめて、お客さんがお腹いっぱいにならない代わりに、何かできないかなと、麺大盛りにすることで、お腹いっぱいになってもらおうと思い始めた。自家製麺をうちはやっているので、それだと麺の方が原価的に安く提供できる」と話す。
客は「元々ラーメン好きなので、ラーメン好きな人はうれしいかも」、「いつもサービスライスいただいています。お店もかなり苦労しているんじゃないですか、値段も高くなっているし。お客さんにとってはいい試みだと思う」と話し、歓迎しているようだ。
山崎社長は「もちろん、ご飯を楽しみにされていたお客さまもいらっしゃると思うんですけど、自家製麺で麺もこだわってやっていますので、この機会においしいなと思っていただければ、逆にチャンスだと思ってやっています」と話す。
麺の大盛り無料は、今後しばらく長野県内の系列8店で続ける予定だ。
(長野放送)